【呪術廻戦】白菫色の夢

3.思考 ページ4

自室に寝転がり、言えなかった頼ってほしい、抱え込まないでほしいという言葉を考えた。

図々しい。

最強の悟兄に向かって。

なんか、悟兄って最強って言葉で自分を守ってる……無理に自分を納得させてる気がする。

最強なのは事実なんだけど、だからこそ背負わなくてもいいものも背負ってる。

そんな気がした。

無いとは思うけど、悟兄までいなくなったらと考えると不安でいっぱいになる。

A「置いていかないでよ。傑兄、悟兄……」

まだ子供、しかも高専に入ったばかりの僕じゃ、あの二人には敵わない。

なんとかして食らいついて、死ぬほどもがいて、それでも届かない存在かもしれない。

でも、傑兄がいなくなって辛いのは悟兄も同じはずなんだ。

僕の前だから“割り切った”なんて言ったんだと思う。

それは僕に負担をかけないため、全部一人で解決しようとしてる。

悟兄の重荷になってるのは、僕だ。



五条「転校生を紹介しやす！」

昨日悟兄が言っていた転校生。

大切な人がいなくなった、とだけ聞いていた。

だからといって、僕と仲良くなれる保証なんてない。

入っておいでー！と悟兄が呼び込むと、入ってきた転校生からはとても強い呪いの気配がした。

説明によると、大人になったら結婚するという約束で、彼の事が大好きなまま死んでしまった里香ちゃんに呪われているらしい。

現に今、

彼の名前は乙骨憂太というらしい。

禪院真希、狗巻棘、パンダ、乙骨憂太、そして僕。

僕の学年も5人と結構多くなった。

五条「午後の呪術実習は、2-2のペアでやる気だったんだけど……」

A「せんせ、僕一人でいいです」

五条「ん？そう？じゃあそうしてもらおうかな」

A「ありがとうございます。練習したいこともあるんで、一人が良かったんです」

五条「練習したいこと……？なになに、必殺技みたいなの？」

A「まあ……そんなものです。でもちょっとだけ呪霊の指定していいですか？」

五条「呪霊の指定？いいけど、無茶はしないで」

僕の領域展開はまだ不完全。

知能のある呪霊、もっと言うなら呪言師に効きやすいもの。

逆に言えば、知能が無ければ何も効果がない。

A「知能があると思われる呪霊か呪詛師でお願いします」

もし傑兄にあっても、この領域展開を使う気は無い。

なぜなら、傑兄が僕の領域に入ったら、廃人になってしまう可能性があるから。

4.齟齬→←2.口実

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す