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観音坂独歩編 優しさの代償Ep3 said Doppo ページ9

「ヤバいヤバいヤバい…!一二三、俺何着ていけば良いか分からない…!」

俺は今日の初詣での服装に悩んでいた

だって今年の初詣は違う
珠久里さんとの初詣だから
いつものような服じゃ駄目な気がする…!

「独歩ちん、そう慌てなさんなって!ここはこのNo.1ホスト一二三に任せろ!」
「ああ。こういう時だけは頼もしいからなお前は。」
「えー!?だけって事はないでしょーよ!俺っちは常に頼もしい男でしょー!?」









「じゃ、じゃあいってくる。」
「独歩ちん、前髪をそんなに直しても意味ないよ?」
「う、うるさいな!別に良いだろ!」
「はいはい、いってらしゃーい!」




バタン





「独歩ちん、なんか楽しそうだったなー。」


「…俺っちもそろそろ進まなきゃ。」









「(は、早めに着いてしまった…。)」
俺は自分の必死さに恥ずかしくなってきた


待ち合わせの時間まであと30分もあったが
何もする事がない

「(仕方ない。彼女が来るまで取引先のメールチェックをしとくか。)」

って、どこまでいっても社畜だな俺
今日くらいは仕事から離れよう






目の前を通り過ぎるカップルはこれで何回目だろうか

そう思った時



『すみません、待たせてしまいましたか?』
彼女の声が聞こえ

何度も頭の中でシミュレーションしたように
今来たところ、待ってない事を伝えようとして
彼女の方へ振り向く

「あ、珠久里さ、ん…。」
俺はそこでフリーズしてしまった

は、晴れ着だ

俺はシミュレーションした内容が頭からすっぽり抜け
ただ、ただ脳内では彼女の晴れ着という事しかなかった



「(え、晴れ着?いや、もしかしたらもしかするかもとは思ったけどまさか本当に着てくるなんて。いや、落ち着け観音坂独歩。これは俺が見ている都合の良い夢なのでは?そうだ、きっと俺は今仕事から帰って来て玄関で寝ているかもしれない。きっとそうだ。じゃあ一二三が起こしてくれるまで待つか。でも、夢で晴れ着の珠久里さんを見られるなんて。ああ、生きてて良かった…!)」

しみじみと感動に浸っていたら


『おい!観音坂!今日提出の書類はまだか!あとはお前だけだぞ!』
「は、はいぃ!課長!今提出しま、す?」
つい、いつもの癖で返事をしてしまったが我に返る

目の前にはくすくすと悪戯っ子のように笑いながらようやく戻って来ましたね、と言う晴れ着の珠久里さんがいた







「(ああ、彼女の笑った顔が好きだ。)」



俺はその時何を口走ったのか覚えていなかった

観音坂独歩編 優しさの代償Ep4 said Heroine→←観音坂独歩編 優しさの代償Ep3 said Heroine



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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時

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