山田一郎編 依存しないでマイノリティEp1 said Heroine ページ43
『改装の為休業…。』
私は買い出しの為にいつも行くスーパーに来たのだがどうやら店内改装の為に一ヶ月休業するらしい
どうしようかな、と考えていたら
「あら？珠久里さん。」
『あ、こんにちは。』
私の住んでるマンションの部屋の隣に住むおばさまに声をかけられた
「一ヶ月は長いわよねぇ。あ、でも確か今池袋のデパートの食品売場で牛肉が半額なんですって！」
ほらこれ、とおばさまはスマホの広告を見せてくれた
『半額…、魅力的ですね…。ありがとうございます。行ってみますね。』
『すごく混んでる…。』
夕飯の買い出しに来た主婦達によって占拠されつつある食品売場を人波を掻き分けて製肉売場まで来たものの中々進めない
『…！、残り一つ！』
牛肉最後の一つが鎮座していま
ぱっ、と手を出したら反対側からも手が出てきた
『…あ。』「…あ。」
「…あー。どうぞ、持ってって下さい。」
『え！そ、そんな悪いです！』
「いや俺、沢山籠に肉入ってるんで一つくらい譲るッスよ。」
ちら、と見ると牛肉に限らず山のようにお肉が入ってた
視線に気づいたお兄さんが苦笑を浮かべ
「下の弟二人が食べ盛りなんで沢山食わせてやりたいんスよ。」
『なら尚更持って行って下さい。』
「いやいやアンタが持って行けよ。多分他のとこももうねえだろうし。」
『いえ、食べ盛りの弟君達に食べさせてあげて。』
「…中々強情ッスね。」
『だって申し訳ないし…。』
譲り合いをしていたら私の後ろから小太りの主婦が牛肉に手を出して持って行ってしまった
「……あ。」
『…あ。』
「ふっ、俺ら譲り合って結局落ちなしかよって感じッスね。」
『…なんかごめんなさい。』
「いや謝んないで下さいよ。俺こそさっさとアンタの籠に入れとけば良かった。」
どうしよう多分他の製肉売場ももう…
お兄さんは籠から一つお肉のパックを取り出し
「良かったらこれ一つ貰ってって下さい。」
『え、でも、』
「多分お姉さんこの辺の人じゃないでしょ？」
『なんで、』
「俺池袋で萬屋やってんスよ。だからブクロの人達の顔は大体知ってるっつーか。」
『そうなんですね。私、新宿の方に住んでて、近所のスーパーが改装中で…。ちょうど此処でセールやってるって聞いたので。』
「じゃあ、お近づきのシルシって事で。肉のパックがお近づきのシルシってちょっと意味分かんないッスけど！」
お兄さんはカラカラと気持ち良く笑う
「あ、これ名刺ッス。」
そこには山田一郎と書いてあった
続く
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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます！ほわぁっ！？こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます！ご期待に添えるよう頑張ります！ (2019年12月11日 7時) (
レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~！これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます！ (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます！凄く励みになります！頑張りまぁっす！！ (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おこめ | 作成日時：2019年12月5日 23時
