伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp1 said Heroine ページ17
私は入院していた
昨夜のことはよく覚えてない
友人の観音坂独歩と飲みに行く約束をして
それで
『いつっ』
こうして思い出そうとすると頭痛がするのだ
コンコンとドアがノックされる
『はい。』
「お加減はいかがかな?」
『寂雷先生。』
長い藤色の髪をたなびかせて病室へ入ってきたのは医者の神宮寺寂雷先生だ
『…やっぱり無理に思い出そうとすると頭が痛くなります。』
「そうか…。」
『…ん、あれ、なんか、眠気が…。』
そこで視界はシャットアウトした
said Heroine end
『…神宮寺寂雷。』
「やあ、君がもう一人の彼女、いや、」
「彼女のヒプノシスマイクかな?」
『その質問には肯定です。何故分かったのですか。』
「…彼女の声には力がある。人を従わせる、力だ。それは私たちが持っているマイクに類似している。仮定だったのだがどうやら正解だったみたいだね。」
『…貴方は喰えない人、ですね。』
「はは、ただの医者だよ。」
『私は、依代の感情を食べて成長します。』
『嬉しい、悲しい、楽しい、辛い、苦しい、憎い、そして、愛おしい。私が完全なる姿になるには依代に色々な感情を与えてもらわなければならない。でも、私はまだ不完全です。』
『感情が一定値を超えるとオーバーヒートします。だからそうなる前に』
『依代がそうなった原因を排除します。』
『依代の記憶を消します。』
『依代と関係のあった者の記憶も消します。』
『全ては始まりに戻ります。』
「それを彼女は知っているのかい?」
『依代は認知していません。』
「…彼女の記録を調べた。」
『…!?』
「珠久里Aという少女は実在する。しかし、彼女はまだ、」
『拒否します!』
「…!」
『それ以上、依代の情報を提示する事は許しません。』
「君達がしていることも人道から外れていることに気が付け。彼女の人生は彼女の物だ。大人たちの勝手で歪めていい物ではない!」
『理解しています!それでも、だからこそ!留まる事は許されないのです!』
「………何故、私に話した?」
『警告です。』
「何?」
『観音坂独歩。依代は彼と接触し、そして、』
『記憶を消されたのです。』
「…独歩君は。」
『無事ですよ。ただ、依代との思い出は消しました。』
「!!」
『それ以外は危害を与えていません。しかし、』
「私の行動で変わる、か。」
『肯定。…そろそろ依代が起きます。では、ゆめ忘れぬよう。』
伊弉冉一二三編 君の酸素で息をするEp2 said Heroine and Hifumi→←観音坂独歩編 優しさの代償Last Episode said Heroine
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おこめ(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!ほわぁっ!?こんな駄作を面白いと評価していただいてありがとうございます!ご期待に添えるよう頑張ります! (2019年12月11日 7時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - タイトル見てすっ飛んできました。新鮮なお話でめっちゃ面白いです~!これからの展開が物凄く気になります。更新応援してます! (2019年12月10日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
おこめ(プロフ) - 猫腹さん» コメントありがとうございます!凄く励みになります!頑張りまぁっす!! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 59f0fac7fa (このIDを非表示/違反報告)
猫腹(プロフ) - 初コメ失礼します。凄く好きです、頑張ってください (2019年12月7日 19時) (レス) id: 437f4e7ef6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おこめ | 作成日時:2019年12月5日 23時