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きがえ ページ9

結局、フェリドの中で私は「クローリー君の事しか頭にない、たまにお友達だったり家畜だったりする子」になったらしい。


適当だなあ、とフェリドを見れば、「しかも壊れない。これは売れるよ」と、なにに売るつもりかは知らないけどなんか楽しそうにしていた。




「さて、とうちゃ〜く。じゃん、ここが僕の屋敷でーす」



「…すっごい見覚えあるなあ」




私の中のフェリドの屋敷といえば、十三世紀のあの場所にあったものからイメージが更新されていないのだが、ここにあるのはそのイメージとほとんど同じものだった。


この建築様式が気に入っているのだろうか。特に理由はないのかもしれない。



フェリドに促されるまま、中に入る。中の造りも記憶にあるものとだいたい一緒で、良い記憶ではないけれど少し懐かしく感じた。



あの頃と違うのは、吸血鬼の使用人がその辺を歩いているところ。

私に興味はないらしく、すれ違っても目も向けられない。そのまま、屋敷の奥へと向かっていく。




「はい、この部屋あげる。中に何着か服を用意してあるから、好きなの選んで。着替えたら食堂に来てくれたら、食事を用意しておくよ」



「…え、部屋まで貰うなんて聞いてないけど」



「今言ったよ。じゃ、待ってるね〜」






そう言い残して、手をひらひら振ってフェリドは行ってしまう。

狙ったのかなんなのか、その部屋は昔フェリドの屋敷に泊まった時にあてがわれた部屋と同じ間取りにあるようだった。




「ま、いいけどさ〜」




細かいことは気にしない。

扉を開ければ、部屋の広さも、家具の位置も、全部見覚えがある。やっぱり狙ったらしい。



着替えが用意してあると言っていた。クローゼットを開ければ、たしかにあった。


胸元や背中ががっぱり開いたセクシーなドレスに、ロリータやらゴスロリやらのフリルがたくさんついたドレス、なんのつもりか、最低限の隠すところは隠したからいいだろうと言うような露出過多なものに、すけすけの服とは言えない布。



まともなものがなに一つとしてない。

あのやろう。




ひくっと頬が引きつったが、クローゼットを漁っていると、奥の方にまだマシなお嬢様然としたブラウスとスカートを発掘した。


家畜の服よりかはマシだろうと、それに着替える。サイズがぴったりなのが、なんか怖かった。

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リリア - 最高です!!!!! (2021年8月14日 12時) (レス) id: c153dc8275 (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - ベルモットさん» 色気…!!ありがとうございます!嬉しいです…! (2020年4月19日 13時) (レス) id: 419fa80be8 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ストリート展開や文章に色気があってリアリティーが感じられました。 (2020年3月28日 17時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
さとう(プロフ) - 黒胡椒さん» ありがとうございます!がんばります〜! (2020年2月19日 0時) (レス) id: 419fa80be8 (このIDを非表示/違反報告)
黒胡椒(プロフ) - 好きです!更新頑張ってください! (2020年2月18日 16時) (レス) id: e2f590a1cb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さとう | 作成日時:2020年2月9日 21時

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