幸せになりますように ページ9
その日の訓練も順調で、5日目にしてかなり体力や技量も付いてきたと思う。
実戦はしていないし、実際に敵が目の前に来た時にここで習った事を使うには実戦での経験を積まなければいけないと思う。
…まあ、実戦になる前に死んでしまうのだろうけれど。
でも少なくとも、私自身は少し変わったはずだ。
以前なら「どうせもう死ぬのにこんなに頑張ったって意味なんてない」と諦めていたかもしれない。
「どうせ長くないから」と身近な幸せですら諦めてしまったかもしれない。
紛れもなく、変われたのはお茶子ちゃんや爆豪くん、雄英のみんなのおかげだ。
隣のベッドで気持ち良さそうにスヤスヤと眠るお茶子ちゃんを見て、少し笑みを零した。
私が死んだら、私の分までお茶子ちゃんと爆豪くんが幸せになりますように。
夜。寝苦しくて目が覚めると、妙に汗をかいている事に気がついた。
喉が渇いて、飲み物を取りに行こうと上半身を起こすと、倦怠感と頭痛に襲われる。
「っ…ぅ、」
ガタッと音を立てて地面に倒れ込んだ。
明らかに正常ではなくて、サッと血の気が引く。
あと2日だからと体調が悪いにも関わらず少し無理をしてしまっていたのかもしれない。
また迷惑を掛けてしまう。
一瞬爆豪くんに電話を掛けようとしたけれど、しても起こしてしまうだけだ。それにできる事なら心配はかけたくない。
とにかく水分補給をしようと足に力を入れた。
「…ん、Aちゃん…？」
ハッとしてお茶子ちゃんのベッドを見ると、眠そうに目をこすりながら身体を起こしている。
慌てて倒れ飲んでいた床から起き上がろうと、ベッドの端に手を掛けてだるい体に力を入れた。
その瞬間、ズルっと手が滑って、受け身を取る力もなくそのまま重力に従って身体が傾いた。
「…Aちゃん!?」
右目の上あたりに痛みが走って、そのまま気が遠くなってくる。
また迷惑かけて、嫌だなぁ。
なんて思いながら、視界がブラックアウトする直前、お茶子ちゃんの焦った顔が見えた。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
