わがまま ページ47
惨めだった。
消えてしまいたかった。
「爆豪くんは…っ、私が死んでもなんとも思ってくれないの？私が過去になっても、変わらず生きていくの？」
まるで「そんなの嫌だ」と言うように、私の口は止まらなかった。
私が死んでも変わらず前を見て生きていてくれた方がずっといいのに、いいはずなのに。
どこか、「悲しんで欲しい」「忘れないで欲しい」と言う気持ちがある。だめなのに、幸せになって欲しいのに、私のわがままなのに！
「私っ、忘れられたくない！
些細な幸せで満足だったはずなのに…どんどん…どんどん…わがままになって…」
爆豪くんに迷惑かけてばかり、もう何も言いたくないのに言葉は止まらない。わがままなんて言いたくないのに、涙は止まらない。
自分が惨めで惨めで、もうどうしたらいいかわからない。でも悲しくて、寂しくて。
「…ばくご、くんっ」
縋るように爆豪くんの腕を握る。
「…俺だってな、」
爆豪くんに強く押し倒された。握られた肩が痛くて、一瞬何が起きたかわからなくなった。
その衝撃で目にたまった涙がぽろりと溢れる。
私を押し倒した爆豪くんの顔は歪んでいて、今まで見た事がないほど苦しそうな顔をしていた。
「俺だって、考えられなかったんだよ…当たり前にずっと続くもんだと思ってたんだよ!!」
声が掠れていて、震えていて、私の胸まで締め付けられて苦しい。
嬉しいのか悲しいのか、もうなんだかよくわからない。そんな色々な感情が混ざってぐちゃぐちゃになって、それと比例するように涙が溢れる。
爆豪くんは私の肩を掴んでいた手の力を弱めて、弱々しく私の首元に顔を埋めた。そして優しく、やんわりと抱き締める。
「………………行くなよ…、」
私は意地悪だ。
だって、爆豪くんが私の事をどうでもいいと思っているならもうここにはいないはずなのに。
彼はここにいてくれてるのに、私は彼に「どうでもいいの？」なんて聞いてしまったんだから。
彼を責めるような事を言ってしまったのだから。
罪悪感に胸がキリキリ締め付けられて、泣いたせいか目元もヒリヒリと痛む。
それに、強く握られていた肩も少し痛い。
でもそれは心地の良い痛みで、私が爆豪くんに思われていると言う証なのだ。
そう思うと胸の痛みが軽くなって、恐怖が少し和らいだ気がした。
そしてやっぱり私は、爆豪くんに救われてしまうのだ。
「…お前は待ってろ。…………俺が、」
その声を最後に、私の意識は沈んだ。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
