最高級の迷惑を ページ16
私は思い切って口を開く。
「…爆豪くん、あのさ…」
『…あ？』
勘違いだったら恥ずかしいし、勘違いじゃなくてもわざわざ自分から聞くのはどうかと思う。
けれど、名前を呼んでくれるのはとても嬉しい事だし、現実だとしたらぼんやりとしていてもあの声を忘れたくない。
もう一度呼んでほしい、と言うのはさすがにわがままだろうけれど。
「……昨日の夜…って、電話した…よね？」
『てめーが馬鹿なくせに風邪引くから仕方なくな』
その言葉に「うっ、」と何かが突き刺さる。
本当に申し訳ない…きっと2人とも夜中でぐっすり眠っていたと思う。
私は謝罪の言葉を口にした後、遠回しに昨日の事を聞こうとした。
「それで、熱であんまり覚えてないんだけど…
昨日何の話ししてたの…？」
『……あー、』
爆豪くんが何かを思い出したような声を出す。
一瞬の沈黙が走って、電話の向こう側で爆豪くんが小さく息を吸ったのがわかる。
何を言われれのだろう、と私は少し身構えて続きを待った。
『泣いた』
「…泣いた？誰が…」
『お前が』
「私が」
…
「私が泣いたの…!?」
『うるせえ』
どうりで目元が痛いわけだ。
この調子なら昨夜はかなり泣いたのだろう。
電話越しで泣くと言う最高級の迷惑を掛けた事がわかったところで、私は全力をもって爆豪くんに謝罪した。
夜中に電話を掛けて熱を出して怪我してあげく泣き始めるなんてしようと思ってもそうそうできないほどの迷惑だ。
爆豪くんもびっくりしただろう。
「………本当にごめん……明日は私がご飯作るから…」
『………おう』
てっきり「いらねーわ！」とか言われると思っていった私は一瞬ぽかんと口を開けた。
これは私の作る料理はお詫びに値すると思ってもいいのだろうか…。
そこで私は本題を思い出して、話題を切り替えようとあからさまに本題を出した。
「……それで、あの…昨日…
私名前呼んでくれたり、しましたか…？」
『……………』
沈黙が走る。
私の心臓が緊張と不安でドクドクと大きな音を立て始めた。
(………現実だったら、すごく嬉しいんだけどなぁ)
そんな心の中の声は、当然爆豪くんには届くはずもないのだけれど。
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山野 珠雨(プロフ) - 梅姫美さん» ありがとうございます！これからもかっこいいかっちゃんをお届けできるように頑張ります！ (2018年9月15日 19時) (
レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
梅姫美(プロフ) - やだ。かっこいい。ありがとうございます。もう。はい。いい作品ではい。めっちゃいいとしか言えない。！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c23f604db7 (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 桃兎さん» 返信遅くなり申し訳ありません！あなたのような優しい言葉を掛けてくれる方がたくさんいて本当に救われています。まだまだ未熟な私ですが、皆様の応援を糧に頑張ります！ (2018年8月20日 1時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
桃兎(プロフ) - 初コメ失礼します！ 私もそんな沢山評価来る様な作品あまり作れませんが、コメント、評価の通知にビビる気持ち凄く分かります！ お話凄く面白いので、更新いつも楽しみです！頑張って下さい！ (2018年8月1日 10時) (レス) id: 050cf08f0a (このIDを非表示/違反報告)
山野 珠雨(プロフ) - 苺デラックスさん» いつもありがとうございます！遅い更新になってしまいますが、最後までどうかよろしくお願いします。 (2018年7月29日 18時) (レス) id: 0e524395ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山野朱雨 | 作成日時：2018年3月9日 23時
