小さな意地悪の理由 ページ4
拓「Aちゃーん、なぁ〜、Aちゃーん」
ある日の休日、ソファに座ってテレビを見てると何度も何度も名前を呼んでくる彼。
拓「なぁみそ〜Aちゃんが構ってくれへん〜」
拗ねた声でみそに構い始める。
かわいいんだよなぁ。
男の人にかわいいなんて言ったら、怒られちゃうかなぁ。
表情がコロコロ変わってかわいいから、
つい、小さな意地悪をしたくなる。
拓「Aちゃん」
私の横に座ると頭を肩に乗せてきた。
なんだ、小動物かよ。かわいい。
ふわりとした毛先が首元に当たって少しくすぐったさを感じながらちらりと彼を見ると
私が見たことに気付いたのか、彼も私を見て、口の端をきゅっと上げた。
「…かわいいなぁ」
ぽつりと私が呟くと少し嫌そうな顔をする。
ちょっとムスッとした顔も、かわいいんだってば。
拓「今かわいいって言わんかった?」
「うん。言ったよ」
私の言葉を聞いて、また、嫌って顔。
拓「Aちゃん」
名前を呼ばれたけど、無視してその場を離れようとしてみる。
また、ちょっとだけ、意地悪。
拓「もー、なんで無視するんAちゃん」
不貞腐れる彼がかわいくてクスクス笑うと
拓「おーい、Aちゃん、なぁー、…A…!」
「んー?」
拓「なんか意地悪して楽しんでるやろ」
ムスっとした表情が近づいてきてきた。
意地悪すると、彼が可愛い表情をしてくれるから。
沢山、名前を呼んでくれるから。
でもね。
何度も名前を呼んでいるとたまに、A、って呼んでくれるから。
だからね、意地悪したくなっちゃうんだよ。
なんてね。
これこそ彼に言ったら怒られそうだから、絶対に言わないでおこう。
絶対に言わない、私の小さな意地悪の理由。
147人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らむね(プロフ) - Aさん» そんな事言って下さってうれしい限りです(>_<)気まぐれなゆっくり亀更新ですが楽しみにお待ち下さい!! (2018年1月1日 4時) (レス) id: 64f520ad7e (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - ほんとに一番好きな作品できゅんきゅんしっぱなしです(´;ω;`)次の更新も楽しみにしてます(o^^o) (2018年1月1日 3時) (レス) id: da8fd23d44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みあ | 作成日時:2017年11月8日 16時