ショータイム と エンドロール

キス、された ページ21

彼は、最近人気になってきて、仕事も、やることも増えて大変そうだ。




邪魔にはなりたくない。



大人しくしていなきゃなとは思っていたけど、


最後に会ったのって、いつ？




ってぐらい、ここ最近会えてない。




仕事と私どっちが大事なの！


とか、思ってるわけじゃないけど、


せめて、連絡くらいは欲しい。



本当に連絡できないくらい忙しくて、

帰ってすぐ寝て、みたいな生活を送ってるのかと思いきや


多分ライブが終わって色々あって、その後、夜中SNSに出現する彼。




携帯は触れるんだろうな、とは思って、


私から連絡すればいいだろって話だけど


送るタイミング、わかんない。



疲れてるのに、その上に手間をかけさせるのはなんだか申し訳ないし。


胸の中ではずっとモヤモヤが滞在している。



どうすればいいんだよ。





｢Aさん、大丈夫ですか？｣



｢えっ？あぁ、ごめんごめん、大丈夫｣





私の隣を歩く後輩の優希くんに、優しく声をかけられる。



帰る方面が一緒だから、やっぱりこうなるのはしょうがないよな。



いつも通りだ。



一緒に夜道を歩く。




向こうもやましい気持ちなんてないんだろうし


いつも通りだろうなって、思ってたんだ、けど、






優｢なんか、最近元気ないから、心配です｣



｢え？そう？いつもと変わらないよ｣



優｢なんか、ありました？｣



｢だから、なんもないって(笑)｣



ふざけた感じで笑ってみるけど、優希くんは真剣な顔。




優｢見てたらわかりますよ、Aさんが無理して笑ってるの｣




まじで？


そんなに顔に、出てたのかな


隠しきれてないの、大人気ない。




優｢最近ずっと気分落ちてる感じだったし、気になってて、｣


｢後輩の子に気使わせちゃってたんだ、申し訳ないな(笑)ごめんね、ちょっと、色々あって…、でも、｣


優｢Aさん｣




優希くんが歩く足を止めてまっすぐ私を見つめてくる。

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