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はじまり ページ2

遠目の姿でも、すぐにわかった。



山中さんだって、すぐに。





たった1週間会っていないだけなのに


すごく久しぶりにその姿を見た気がする。




寒そうに少し肩を上げて


両手を上着のポケットに突っ込んだその姿。


完全に目が合ってるのがわかって、咄嗟に目線をそらした。





優「あっ、なんか、話しかけちゃってすみません。最近寒いので風邪引かないようにして下さいね。じゃあ、また明日」


「…う、うん、優希くんこそね。」




嬉しそうに笑う優希くんと山中さんがすれ違う。






久しぶりの姿が目の前にあって、



心臓がドキドキ音を立てて体中に響いてる変な感覚にどうしようもできなくて、何も言うことができなかった。





彼からの言葉があるかと期待しながらゆっくりドアを開けると



バタンと強めに鳴ったドアが閉まる音だけが聞こえて、期待していた言葉はなくて、つい、ドアを開けている手が止まった。









"おかえりなさい"








玄関で会うといつも。


温かいこの言葉を聞いて、私もその言葉を彼に返して。


彼の温かい笑顔が、優しい声が


"みそに会ってく?"


って。


いっつも、その声が頭の中に響いて。




彼の声を聞く度に


この声、好きだなって。





彼が、好きだなって。





いつからか、気付いちゃって。





なのに、


こんな惨めな自分の姿に


バカみたいだって言ってやると


目の前の景色がじわりと滲んだ。








「私、こんなに…」






好きになってたのか。



瞬きをすると地面に1粒の雫が落ちた。





腕で涙を拭うと、ドアの開く音が聞こえて咄嗟に音の方を見ると



拓「…Aちゃん」




ずっとずっと聞きたかったその声が

ずっとずっと会いたかったその姿が



そこにあって。









「……すき…、」






つい、その一言が、小さく漏れた。

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らむね(プロフ) - Aさん» そんな事言って下さってうれしい限りです(>_<)気まぐれなゆっくり亀更新ですが楽しみにお待ち下さい!! (2018年1月1日 4時) (レス) id: 64f520ad7e (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - ほんとに一番好きな作品できゅんきゅんしっぱなしです(´;ω;`)次の更新も楽しみにしてます(o^^o) (2018年1月1日 3時) (レス) id: da8fd23d44 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みあ | 作成日時:2017年11月8日 16時

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