4.帰り道 ページ5
思わず言ってしまった一言。
それが、あいつらの腹を立たせるのには丁度良かったらしい。
蹴り飛ばしたけど、完全に力負けしてる。
頬が熱い。
あいつらにどう言っても、きっと結果はこうだと分かっていた。
それでも、本音を吐いて神経を逆立たせてしまったのは紛れもなく私のせい。
助けて…
「おい」
一瞬。一瞬、嘘だと思った。
でもそれは、私が1番助けを求めていた人だった。
咄嗟にあの不良共は逃げて行った。
「血、出てる」
頬に触れる。指に血がついていた。
忘れてた。不良共の爪が食い込んだんだっけ。
「何があった」
「…不良に絡まれました」
「送ってく」
「いえ、電車に乗るんで…」
「またあんな事をされたいのか？」
「…それは二度と御免です」
「…なら行くぞ」
それから電車に乗るまでずっと、何も言葉を交わさなかった。
何というか、気まずかった。
電車に乗っても沈黙のまま、時が過ぎていく。
１両目に乗ったため、寄りかかれる壁が多い。しかし、この時間帯は人が多い。
トンネルに差し掛かると、電車が揺れてバランスを崩しかける。
つり革を掴んでおいていれば良かった…なんて後悔をする間も無く、バランスを崩したまま白河先輩の方に倒れ込む。
白河先輩は平然且つ容易く私を支えているが、私の方は悶絶寸前である。
距離が近い所為か、否か。
頬が熱を帯び、心拍が速まっている。
それだけではない。
電車が止まり、次々と人が乗り降りする。
ドア付近に立っていたから退かなきゃいけないはずなのに、何故壁ドンみたいなシチュエーションになっているのだろうか。
白河先輩なりの優しさだってのは分かるけど、
先輩を直視出来ない。
優しい香りが、硬直した私を更に動揺させる。
どうしたんだろう、私。
こんなのいつもの私じゃない。
白河先輩と出会ってから…？
こうして家への最寄り駅まで、ひたすら湧き上がる感情を抑えていた。
駅を出て少し歩くと、他の家に紛れて建つ自分の家に着いた。
いつもよりもとても長く感じた帰り道。
「なんか、いろいろありがとうございました」
「気をつけろよ」
「はい」
じゃあ、と言って背を向ける白河先輩。
「ありがとう…ございました」
家に入れば、当然誰もいない部屋。
さっきまで白河先輩が側にいてくれたからなのか、何だかとても寂しい。
「…ただいま」
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希望(プロフ) - アメジストさん» ありがとうございます<(_ _)> (2017年1月3日 17時) (
レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - てかものすごい絵上手ですね (2017年1月3日 16時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - アメジストさん» イケメンにし過ぎました(笑) (2017年1月1日 23時) (レス) id: 81354004c7 (このIDを非表示/違反報告)
アメジスト - 白河メチャイケメンで泣けるww (2017年1月1日 22時) (レス) id: 36e88b3d43 (このIDを非表示/違反報告)
希望(プロフ) - はい。この小説を作った後にトーカちゃんの事を知ったので、物語の中盤で髪型を変えさせて頂きました。私のミスです！今後このような事が起こらないように気をつけます(＞＜) (2015年7月13日 21時) (レス) id: b0e2c90b13 (このIDを非表示/違反報告)
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