黙って俺らに愛されろ。【東海オンエア】 (ページ2)

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過去のお話。ページ2

なんで生まれてきたのか。
あたしには全然わからなかった。

中学までは幸せだったと思ってる。
でも、高校に行くようになってから
全ての歯車は崩れていったんだ。

母「今日遅くなるから。ご飯自分でやってね」

「うん、わかった」

"今日も"の方が正しいはずなのに。
お母さんは夕方から毎日外出する。
帰りは必ず次の日の朝。
仕事？違う。男と会っている。

両親は中学3年の時に離婚した。

お父さんは会社でうまくいかなくて
長年勤めた会社を勝手に退社。
浴びるように酒を飲むようになって、
気付いた時にはアルコール依存。

同じ時期にお母さんも様子が変わって
気付いた時には浮気をしていた。

なんで気付いたのかって？
そりゃ娘だもん。気付くに決まってる。

一人っ子のあたしは
相談することもできず、
何か行動を起こせるはずもなく、
ただ、自分の事だけをやり続けた。

母「ねえ、ちょっと」

「なに？」

母「お金貸してくれる？」

「お金？」

母「はやく」

ある日を境に、
お母さんはお金をせびるようになった。

一人暮らしをしたくて
必死にバイトして貯めたお金も
気が付いたらもう残りわずか。

一度その催促を断ったことがある。
その時はものすごくおこられて、
吸ってたタバコを押し付けられたこともある。

怖くて、もう断われなくなってしまった。

いつからだろう。
実の母に怯えて暮らすようになったのは。

タバコを押し付けられたり、
蹴られたり叩かれたり…
そんなのが日常化してきていた。

消える傷もあれば消えない傷もある。
だから真夏でも長袖を着ないといけない。

どうして、
こんな思いをしなきゃいけないのか。
あたしには何一つ分からなかった。

学校では家でのことは全て隠すと決めている。

傷ももちろん、全てを。

りな「Aー！おはよ！」

「りな！おはよ！」

りな「クラスどーなるかな！？」

「どうかなあ、、りなとまりと同じクラスだと良いんだけど」

りな「本当だよねえ～、、あ！まり！まりー！」

「まりー！おはよ！」

まり「2人ともおはよう！クラスもう見た？」

りな「まだ見てない！見に行こ！」

この春から高校生になったあたし。
中学の頃からの親友、りなとまり。

結局、クラスは3人バラバラでした。