最愛 3 (ページ32)

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「ペンギンのイベントがさー、実は観たかったんだよね。」

「そうなんですか？」

「うん。友人が行った話を聞いて。あ、そいつはもう結婚してて子供連れでね。癒されたーとか話してたんだよね。行ってみたくなったけど、でもひとりじゃ何だかだし、おっさん同士で行くのも怖いだろ？(笑)」

あははは、って笑うと

「なーんてね。話を聞いた時からAと行きたいなって思ってたんだ。」

胸がぎゅっってなる。

「付き合ってくれて、さんきゅ。」

嬉しい。

課長の心に私の存在があった。

そう思ってくれてた事。

嬉しすぎるから。

「嬉しーって顔してんぞ(笑)」

って言われちゃったけど仕方ないもん。

ちょっと誤魔化すつもりで

「付き合ってというのは、水族館にですか？
それとも...」

課長は私の顔を見て

それから視線を水槽に向けて

「これからずっとだよ。」

課長、照れてる。

課長の視線に覗き混んだら

「いい？」

って、ちょっと小首傾げて

今度は真っ直ぐ私の目をみて言った。

もう嬉しすぎて
心が破裂しそうで

そのまんま勢いで抱きつきたくなった衝動を
ぐっっっと堪えて

「はい。」

って小さく頷いて答えた。

課長は「あぁぁぁー。」

って言って

「その無意識な煽りがなぁー。」

って呟いて。

私のほっぺを軽く抓った。

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