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どこかの地下駐車場にクルマ止めて。
地上に出たらよく出かける街だった。
「じゃあ、まずは...ブラブラしようか(笑)」
「はい。あ、でもキチキチのスケジュールじゃないんですか？」
「ブラブラするのもスケジュールに入ってるから(笑)」
って笑う課長が素敵すぎて、ブラブラよりもクラクラする。
よく見る街の風景も、好きな人と歩くと
全く違う景色に見える。
っていうか、課長がその場にいるだけで
それはもう素晴らしき世界!!←大袈裟だけど本気。
雑貨屋さん、書店、CDショップ。
今までは知らない課長の世界を知る。
どんな音楽が好きだとか
今まで読んだ本とか
これから読みたいものとか
ステーショナリーには結構こだわりがあるとか。
私が出逢うまでの課長が
どんな風に今の課長になっていったのか
それを紐解いていく時間。
これからは一緒に
同じ時間を少しでも長く。
そう願うとちょっと苦しくなった。
「ん？どうした？」
「なんでもないです。」
「なんでもないのに、なんで泣きそうな顔してんの？」
「えっと…笑いませんか？」
「笑わないよ、言ってみ。」
「課長と過ごす時間が少しでも長く続きますようにって思ったら、いつか終わっちゃうの？って。そう考えたら怖くて。」
課長は、笑って
「あー、もうこんな街中で煽るんじゃないよ。」
って、私の頭をポンポンして
「終わらないから。安心しろ。」
そう言って、手を繋いでくれて
また歩き出した。
大きな課長の手に包まれて
呪文のような課長の言葉が
私を安心させてくれた。
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作者名：ハルヒ
| 作成日時：2020年2月15日 9時
