最愛 3 (ページ2)

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帰宅して。

入院中の母に変わって家事をして
父は病院に付き添ってるから智くんと2人で

不安な気持ちと少しドキドキする気持ちで
ご飯食べたらすぐに部屋に閉じこもった。

中等部は男女別高だから、
智くんは私がはじめて間近で接した男の子で。

見た目はすごーくかっこいいし
スポーツは何をしてもできちゃうし

特に。
絵を描いてる時の顔に見入っちゃって。

好きだなって思ってた。

でも家族だから。
兄妹だから。

まだ小さく灯ったこの淡い気持ちは
憧れみたいなものだと自身で納得させた。

ベッドに入ってちょっとだけ泣いた。

その時、部屋をノックして返事も待たずに智くんが入ってきて。

私のベッドに潜り込んできた。

フワッと私を抱きしめて

《俺はAの兄ちゃんだから。一生側にいることだってできるんだぜ、わかる？わかんねーよな(笑) 簡単に言うと、俺はずっとAの味方だから。》

智くんの赤ちゃんみたいな匂いと体温に包まれて、その日は眠った。

一緒に眠ったのはこの日だけだった。

「お母さんが倒れた日、不安で泣いちゃったから。そばにいてくれた時に安心して眠ってしまっただけ、それだけです。」

そう櫻井課長に向かって言ったら

櫻井課長は目線を逸らして

「それでも嫌な物は嫌なんだよな。」

って笑った。

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