最愛 3 (ページ1)

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あの日は。

智くんが編入してきて
高等部にすっごいイケメンが入ってきたって
中等部でも騒ぎになっていた。

智くんは芸術コースを選んだ。

高等部には芸術コースがあって
音楽や美術方面に進学するための
カリキュラムや専門の講師などもいる。

この時期に簡単に編入できたのは
智くんがすでにいくつか賞をとっていたから。

授業以外はほぼ美術室にいた。

部活は中高一緒だったから、
みんな美術室に智くんを見に行ったりしてた。

私はこの人を兄だと知られたら
紹介してとか面倒が起きると思ったから
美術室には行かないし
それは智くんにも言っていた。

智くんは笑って

俺も兄妹だとは知られたくないから、いいよ。
って言ったから安心して智くんを校内では無視していた。

私が中3、智くんが高３になったころ

お母さんが倒れたって学校に連絡が入った。

幸い大事には至らなかったし、後に私達にさらに弟か妹ができるとわかった日だった。

2人して早退する所を目撃されて
私のお母さんが倒れたのに、なぜ智くんが一緒に早退するの？って、智くんファンの子に囲まれた。

私は兄妹だと言ってしまえばラクなのに

言いたくなかった。

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