最愛 2 (S.S) (ページ15)

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ドキドキが止まらないまま

何種類がオーダーして

すぐにビールがきたから

「じゃ、やっと俺んとこにきたAに、乾杯！」

「えっ、どういう意味ですかっっ？」

課長の発した言葉に動揺がもう隠せない。

「ん？そのまんまの意味だけど？」

「櫻井課長の部署にって事ですよね？」

いい気にならないように

必死で気持ち押し殺してそう言ったら

「んー、Aは秘書課のままだから、俺の部署には来てないんだよなぁ、正確には。」

「あ、そうですね。」

「潤がさー、異動させなかったんだよっ！」

「松本課長がですか？」

「そ。だから俺の部署に来たんじゃないよ。」

そう言って1口ビール呑んで

「俺のテリトリーにやっときた！ってことで。」

って笑った。

テリトリー？

なんなの、それ？

どういう意味？

あー、もう色々な感情が溢れて
わかんない。

私なら。

じゃない、

私だって。

櫻井課長のテリトリーに来れて

すっごく嬉しい!!

これから毎日

櫻井課長を近くで見れて

声を聞けて

なんなら名前呼ばれて

いくつ命があっても足りなくなるくらいなのに。

課長が同じ意味で言ってる訳ないけど。

ちょっとのぼせ上がりそうな自分を押さえなきゃ。

〈この人には彼女がいる。〉

それを忘れないようにしなきゃ。

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