最愛 1 (S.S) (ページ40)

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結局今日一日、あんまり使い物にならなかった私を松本課長は

「プライベートを仕事に影響されては困る。」

と叱ってくれてから

「でも、上司じゃない俺はAが心配で仕方なかったよ。」

オシャレなバルに連れてきてくれた。

こんな風にザワザワした空間でよかった。

静かなレストランとかなら、話をするのも緊張するから。

「で、何があったか話したくなった？」

何杯目かのビールを飲みながら、聞いてくれた。

私はまだそれを話せる気にはなれなくて。

吐き出したら、もしかしたら

もしかしたら楽になるの？

「ま、いいや。俺はAとデートできて嬉しいし。」

ニカって笑う松本課長は
いつもの課長とは違う人みたいに
甘かった。

「デートですか？」

「違うの？」
「上手い飯、上手い酒、好きな可愛い女の子と楽しく過ごす。これってデートでしょ。」

すみませーん、ビールー！

って注文しながら

さらっと言った。

「そういうこと。」

急に緊張がドキドキが襲ってきた。

「あ、そんな意識してくれなくていいよ。俺はAが笑ってるのがいいなって思ってるから。」
「弱ってる所に優しくしてつけ込もうかと思ったけど(笑)」
「まあ、そのうち告白するかもなー(笑)」

どこまで本気かわからない。
きっと冗談。
信じられないのが当たり前。

でも。

こんな素敵な人に可愛い好きだと言われたら、ちょっとは自分に自信を持っていいのかな？と思う。

きっと松本課長は私に自信を持つようにって
言ってくれたんだ。

それから、松本課長の新人時代の話や
二宮主任との学生時代の面白い話をたくさんしてくれて、すごく笑った。

「うん、やっぱりAは笑ってる顔が1番可愛い。」

って、また私に自信をくれた。

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