好きだった【S.S】 (ページ24)

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23.その後2 ページ24

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翔が試験期間でバイトを休み、
その後私が大阪に行き、
しばらく会えない日が続いた。

テス勉の邪魔になるかと
連絡も控えて、
別れてからの免疫をつける練習？
って考えたり、
ちょっと無理する程度に仕事に没頭したり
人脈広げるため、おつきあいしたりしつつ

恋しさをまぎらわせる…

やればできるじゃん…
翔と別れてからもきっと生きていける…
なんて、自分に言い聞かせたりして…
任務を遂行する。

数日ぶりに帰途に着く時、
無意識に翔の好きなチーズケーキを買って

新大阪で従姉妹と待ち合わせて夕食を済ませ
少し飲みに行き、新幹線に乗る。

でも実は、チーズケーキを手にした瞬間から
翔のことしか考えられない自分に気付いてる。
従姉妹との話はうわのそら、
疲れてるんだと心配されちゃう始末。

東京に着く頃には夜も深い
あのかいまきに、くるまって眠ってるんだろうか…

どうしても会いたくなって
タクシー乗る前に電話する

「起きてる？
チーズケーキ買ってきたよ」

あきらかに寝てた声が、掠れてセクシーで

「チーズケーキ？食いたい。
Aも食いたい。待ってる。」

「えー、今から？
明日でも食べられるけど」

なんて、体裁を繕うけど、

「明日なの？
オレ可哀想」

なんてちょっとだけ食い下がられただけで、
至福。
タクシーに乗り込み、嬉嬉として
運転手さんに翔の住所を告げる私

大好物のチーズケーキより、
まずは私を抱きしめて、

「こっちのほうが、美味そう
Aすぐ食いたい」
なんてキスされて…

心にも体にも楔を打たれて、
翔に溺れる。

もう、時間は、あまりない。
春までに、翔ロスの免疫を
つけなきゃならないのに

でも、好きだった。
翔が好きでたまらなかった。