好きって言ってよ１［佐野玲於］完結

赤信号 ページ27

ASide



はぁ〜〜〜やっぱ王子カッコいいな〜〜
豚の丸焼きおいしかったなあ〜〜
一生に一回の贅沢すぎる日だったなあ〜〜
な〜んかこれから嫌なこと起こるのかなあ〜〜
とりあえず涼太くん今日は特にビジュアルイケめて見えたなぁ〜…
思い出に浸りながら帰っていた。




いままですいすい進んでたのに
急に赤信号に引っかかって停止したタクシー。
ふと視線を横にずらすと…









『え．．．』









楓さんと玲於くん？だよね．．．？
二人でコンビニの前に立って何してるんだろ…

え？デート？





ってことは楓さんの好きな人ってもしかして…
え、まって、こないだ唐揚げ作って待ってた日、
玲於くん楓さんと一緒にいたんじゃ、、









ここまできたらもう、
被害妄想はとどまることをしらない。








『なんっで…』









さっきまでふわふわな気持ちにつつまれてたのに
いまは１ミリも頭になくて









『…いやだ…っ』










悔しさとか
もどかしさとか
無力さとか
儚さとか。









さっきワイン飲みすぎたかな、
うっ…泣いちゃダメだ。



アルコールが入るとさらに
涙脆くなっちゃうわたし。









いいことのあとにはわるいこと、
でも、ねえ神様、いい事が起こった期間
超短すぎだよ。









ただ、見間違いであってくれ、
夢であってくれ幻想であってくれ、
そう繰り返すことしかできなくて。









玲於くんのいない夜なんていやだ、
玲於くんの隣にほかの女の人がいて
笑い合ってるのをみるのなんていやだ、
玲於くんのいない東京なんていやだ。









．．．わたし、玲於くんがすきなんだね…。

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