好きって言ってよ１［佐野玲於］完結

過剰摂取 ページ26

ASide




『わ………』




連れてきてもらった店は
想像を遥かに超えていて、


玄関にはフランスの国旗がひらひらしてて
お出迎えしてくれたのは外人のダンディなおじさまで


涼太｢予約していた片寄です｣



なんて、はぁ、惚れ惚れしちゃうな。
案内されたのは奥の方の部屋で
そこまで行くのにすごい長い廊下歩くの。



どうぞ、ってひかれた椅子に座って
…ワインまでついでもらって。




涼太｢Aちゃん、お酒強かったよね？
ワイン飲める？｣




いやもう喜んで飲めるけど、
ワインどころじゃなくって。




『あの涼太くん．．．こんな高そうなお店
大丈夫、なんでしょうか？．．．』




確認せざるをえない。
急に涼太くん消えちゃったらわたし、
破産しちゃうよ．．．




涼太｢ああ、なんにも気にすることないから。｣





ちょうどお料理が運ばれてきて、
わ．．．鳥の丸焼き．．．




涼太｢さ、食べよっか。ここおいしいんだよ、
メンバーともよく来るし｣





へぇ、玲於くんこんなところ来るんだ…
すごいな、わたしさっきから完全に
挙動不審だよ、堂々としてらんないし

なんだか、いやとっても落ち着かない…！





絶対、いや120%地元にこんなとこないよ。
都会すごい芸能人すごい…





『わ、これおいしい…！』





高級レストランって小さくて、高いくせに
味はあんま美味しいイメージなかったけど

このお店のものはどれもこれも
本当に美味しくて。
なんてゆうか、味がお上品なの。






涼太｢そ？よかった。喜んでもらえて俺も嬉しいよ｣





そこからメンバーさんの話とか
涼太くんの地元の話、わたしの元職場の話
好きなアーティストの話、
お洋服の話、
美味しいご飯屋さんの話、
たくさんお話して充実した時間を過ごした。

涼太くんって動作がその、いちいち画になるから
ずっとドキドキしてて
なんかそれが逆に落ち着かなかったりしたのは秘密。



『わ〜〜、美味しかったあ〜〜！』


お会計もスマートなの。私がお手洗い行ってる間に。こんな女子扱いされたの初めてだよ…


家まで送るよって行ってくれたけど
全力で、タクシーで帰るから大丈夫です！ってゆって

［じゃあ、帰ったら連絡してね。今日はありがと。
…今度はもっと遠出しよ。］





って一言残して
タクシーのドア閉められて

…わたしイケメンの過剰摂取で死んじゃいそう…

赤信号→←ありえねぇ

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