思い出す青年 ページ4
今日も会った
いや、いつも通り警備巡回している地域で偶然
あの少女にまた会ったのだ
濡場色の長い髪を一つに結っている少女
前髪は少しだけ長く時折見える瞳の碧色は
ずっと覗いていたいと思う程綺麗だった
暗い森の中は互いの輪郭をぼんやりと映し出す
そんな時にふと思いだした
初めて少女と出会ったのもこんな山の中
赫灼の少年と出会った年の終わり頃だった
寒い雪山にある小さな集落
白銀の下に見える赤黒いそれは
ここで何があったのをかを解らせた
一つ一つ家を調べる
赤黒くなってた跡は大量にあるものの
肝心の本体が見当たらなかった
しばらく集落を歩くと土を掘る音が聞こえた
音のする方に歩いていけば沢山の遺 体とそれを運んだと思しき血濡れの背負子があった
その向こうに少女は居た
一心不乱とゆうより落ち着いているような
一定の感覚で土を掘り返している
着ていた着物は血濡れで乾いて黒くなって
ボロボロだった
丁度いい深さ、そして穴の大きさになったのだろう
少女は穴から這い出して自分より大きな遺 体を引っ張って穴の中に寝かせていく
一家族ごとに埋めていってるようだ
流石に誰が誰の家族かは分からないので
青年は手を出せなかった
だが土を被せる時は近くに置いてあった
農具で少女を手伝った
か細く小さな鈴の様な声が聞こえた
『ありがとう』
その言葉に青年は無言で頷く
それが二人の出会いだった
9人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しづ(プロフ) - 、さん» 外したつもりが出来てませんでした…ありがとうございます! (2019年12月15日 16時) (レス) id: 14c6efd9bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しづ | 作成日時:2019年12月15日 14時