少女の悩み ページ3
目の前の男は無言でじっと見てくる
私はあまり視線を合わせないようにしながら
礼を言う
『水柱様、助太刀、感謝致します』
「あぁ」
うん、それだけだった
時間だけが少しずつ過ぎていく
とりあえずこの場を去ろうと考えていると
少しだけ山の中が見やすくなった
日の出が近いのを感じた私はまた口を開く
『日の出が近いようですので、私は行きます。では』
それだけ告げて出来るだけ早く山を下り
麓の藤の家紋の屋敷に世話になる
美味しいご飯に温かい風呂。そしてなにより清潔な布団も用意されている
いたせり尽くせりとはまさにこの事だと
少女は屋敷の主人とその奥方に感謝しながら
食事を始める。気付けば隣に膳がもう1つある
何となく嫌な予感がした
考える間もなく
見事にその予感は的中する
スっと襖が開かれ少しの足音
そして隣に座した人影は先程暗闇の中で出会った
あの無口な何を考えているか分からない男だった
いや、まぁ、あの山から近い藤の家紋の屋敷はここしかないから、遭遇するのは必然だった
分かってはいるものの少女はとても困っていた
この男は何を考えているか分からない上に
喋ったとしても言葉足らず
言ってしまうと苦手なのだ
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しづ(プロフ) - 、さん» 外したつもりが出来てませんでした…ありがとうございます! (2019年12月15日 16時) (レス) id: 14c6efd9bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しづ | 作成日時:2019年12月15日 14時