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どことなく舌足らずなこの声は…………お嬢様の脳裏に一人の執事の姿が思い浮かぶと同時に、フルーツ入りの篭を持った山上が顔を覗かせた。
彼の頭上では相変わらずキュートなアホ毛がひょこひょこ上下している。
「風邪引いたって聞いたんで、体に良さそうなの持ってきました。要る？」
「ふふん。気が利くわね、山上」
「俺もそこそこ長い期間お嬢様の傍に居るんでね」
フルーツバスケットを持ってきた山上に、既に室内入りしていた執事達が「 これ以上お嬢を太らすな 」「 量多くない？ 」「 お嬢様食いしん坊だから全部食べちゃうよ 」と口々に言うが、彼は完全無視。
実は何気にここの二人、以前からよくおやつを盗み食いしてるでお馴染みなのだ。
まぁ所謂、悪友のような。
そんな関係性である。
なのでそんなお小言、聞くわけがないのである。
その後も愛されお嬢様の元には何人かの執事が出入りし、志賀には風景の写真集をプレゼントしてもらい、乾には軽く拳骨を落とされ、林には「 バカなの？ 」と呆れられりなどした。
そして最後。
郵便物を郵便局まで出しに行っていた渡辺が漸く戻り、その彼もお嬢様が風邪だと知るなり、山本と負けず劣らずの騒がしさで部屋にやって来た。
案の定伊沢には叱られ、福良と河村にも注意された渡辺は、すっかりシュンとしている。
何故だかお嬢様の目には見えないはずの垂れ下がった耳が見えていた。
「そんな些細なことで落ち込むなんて、アホな貴方には似合わないわよ、渡辺」
「はぁあ？！誰がアホだよ！」
「ふふふっ…………久しぶりにこの部屋に全員集まったわね」
渡辺が加わり、入れ変わりで山上が出ていった部屋には、かなり初めからここに仕えている面子が揃っていた。
所謂執事の中の幹部的な彼らは、仕事でもかなり重要な役回りを任されることが多いため、あまり全員が揃うことはない。
特に、以前までならことあるごとに集まっていた、お嬢様の部屋では。
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白菜(プロフ) - あるてぃめっとさん» コメントありがとうございます！この作品のcssは自作ですね。フォントは『ほのか丸ゴシック』を使用させて頂いてます。参考にしていただければ幸いです！ (2021年3月30日 17時) (
レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
あるてぃめっと - こちらの作品でははじめまして（といっても覚えてないと思いますが…）今回も素敵な文章をありがとうございます。それともう1つ素敵なcssだなと思い…自作でしょうか？紹介がないので…もしよろしければ、使っているフォントを教えていただけないでしょうか？ (2021年3月30日 16時) (レス) id: 037db07d8a (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - Rukaさん» 私も書きながら「この関係性が尊いと思える感じにしたい」と思ってるので、そう言っていただけると嬉しいです！お嬢があんな子だからきっとこんな関係性が出来たんでしょうね。これからも彼らをほほえましい気持ちで見ていただけたら嬉しいです(笑) (2021年3月29日 22時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - SALTさん» コメントありがとうございます！普段は文章詰め詰め野郎なので、今回の話は確かに読みやすいかもしれません(笑)応援ありがとうございます！ほんとにマイペースですが、これからもちょこちょこ更新していけれたらなと思います！ (2021年3月29日 22時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
Ruka(プロフ) - なんというか、お互い憎まれ口を叩きながらもお互いに好いているような関係が本当に好きです。お嬢はいつもこんなに暖かい空間にいるんだと思うと、なんだか微笑ましくなってしまいました笑 (2021年3月29日 16時) (レス) id: 323f90024b (このIDを非表示/違反報告)
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