【銀魂】シスコンな兄の尻拭い９ 【柳生篇】

チンパンジーは馬鹿だが器用だから油断はするな　七　終 ページ41

(バカな！相手は戦ではなく威力も弱小化している怪我人だぞ！何故……ッ！)

　戦が目を見開き、猛威力で突きが来る。
　西野はすぐさま避けるが、その避けた先に沖田がいて西野の顔に一撃喰らわせた。

「がはっ！！」

　西野は沖田の一撃に吹っ飛ばされる。
　皿じゃなく顔を狙われたため負けではないが、沖田は確実に狙い通りの場所に攻撃を当てていた。
　彼の攻撃に戦が呆れた顔をする。

「おいおい、ちゃんと皿狙えって。そういう試合だぞ」
「せっかくですから楽しませてくださいよ。この戦い方、顔殴りやすくて仕方ねーんでさァ」
「てめー俺の苦労で遊んでんじゃねーよ！」

　沖田は遊び感覚でやっているようで戦がキレる。
　戦に吹っ飛ばされて西野は壁に衝突し、痛みに顔をしかめつつ二人の会話を聞いて驚いた。

(こいつッ……自分の攻撃は避けられることを前提に、二人が戦いやすい様に立ち回ってやがるのか！)

　戦は自分で好き勝手にやるような人間であり、彼らしくない戦い方である。
　何度か戦とやり合って来た西野はそこにも驚いていた。

「バカな、怪我人に攻撃を託すなど無謀！それに庇いながらでそんな器用なマネ、貴様一人でやる方が確実なはず……！」
「まァそうだな。そっちの方が俺も活躍できるし。だが一人で真正面から続けてもいいが、変化球を投げてお前の戦闘を乱すのが今回の作戦ってわけだ」

　戦はフッと笑う。

「作戦もバラしちまったことだし、そろそろ決めるぞ。いけるか？」
「当たり前でさァ」
「瞬殺してやるネ」
「フッ、そりゃあ頼もしい……任せたぞ」

　戦は戦闘の勝利を二人に委ね、西野に向かっていき斬りかかる。
　防がれるがその一撃は強く、ギリッと西野は後ろに押されて身動きが取れなくなった。

『うおおおおお！！』
「ッ！」

　神楽が沖田を担いで走り、沖田は横から西野の皿に向かって攻撃する
　しかし西野が刀を強く押し返し戦を離して神楽に刀を振るった。

(！まずい！！)

「ほァたァァァァ！！」

　神楽は狙われてると察知し、沖田がまだ攻撃を仕掛けている中、彼の足首を掴んで思いっきり振り回した。

『ぬごおァァァ！！』

　神楽の一撃に戦も巻き込まれ、沖田と西野と戦は三人とも皿が割れ気絶してしまった。


　Aは聞こえた音に反応して振り向く。

「今の声……」
「総悟と戦の声じゃないか？」
「何かあったんですかね行きましょう！」

　叫び声を聞いてAと近藤、新八は急いでそちらに向かった。

好きな人に集る男を嫌いになるのは人の性　一→←チンパンジーは馬鹿だが器用だから油断はするな　六

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す