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チンパンジーは馬鹿だが器用だから油断はするな 四 ページ38

「この、何すんだクソガキぃぃ!!」

 神楽は目に涙を溜めて思いっきり沖田の脛を蹴り付け、ボキッと音がなる。

「うがァァ!!折れたァァァ!!」

 後ろに倒れ沖田が叫び声を上げた。

「て、てめェ普通折れるまでやるか!?」
「やられたら倍返ししろって銀ちゃんに言われてるネ。あと普段からAを困らせてる罰アルヨ」
「てめッ私怨ここでぶつけてくんな!タイミング考えろィ!!」

 神楽が冷や汗をかきつつやり返して沖田も痛そうにしていた。

「もはや勝負あったな。仲間割れで勝機を逃すなど愚の骨頂。皿を渡せ。」
「嫌だネ!」

 沖田と神楽は揉めて部屋に逃げようとしながらも諦めない。
 西野が大きく刀を振るい二人の逃げる部屋の襖を破壊した。
 その先は襖を隔てて幾つも部屋が連なる場所で、二人は急いで奥に走って行く。

「逃げても無駄。腕と足が使えぬ侍など役には立たぬ。武士の最期は潔くあるものだ」
「フン。潔く?あいにく俺たち芋侍はそんな武士道持ち合わせちゃいねーや」

 沖田は神楽と共に襖に身を隠して呟く。
 西野の言葉を聞いて、神楽に視線を送った。

「……オイ。俺と組むのとアレに負けるの、どっちがイヤだ?」
「どっちもクソくらえアル」
「俺もクソくらえでィ」

 でも、と神楽が続けた。

「やられたら、借りを受けたら倍にして返せって銀ちゃんとAに言われてるアル……Aは誰よりも借りを大事にする人ネ。ここで意地張ってたら、Aに顔向けできないアル」

 神楽はAの考えが好きで、いつの間にかそれに影響されてしまっていた。沖田はフッと笑う。

「てめーの間抜けな面ァ、あの人に顔向けできねーのは今さらでィ」
 

「出てこい芋侍がァァ!!」
「こっちだぜィ、デカブツ」

 西野が叫び声を上げ、沖田は後ろから声をかけた。

「最後の勝負と行こうじゃねーかィ。かかってきやがれェェ!!」

 格好良く叫ぶものの、その沖田は神楽に肩車されていて。
 西野は真顔でしばし黙った。

「何してんの?」
「足が使えねェ奴、腕が使えねェ奴、協力すれば」
「オイあんま股近づけるな気持ち悪い!」
「仕方ねーだろィ!」

 渋々了承した神楽は沖田を肩車することも嫌そうである。

「そんな状態で拙者の太刀をかわせると!?拙者は早くAさんを見つけ出し戦いたいのだ!遊びに付き合ってる暇はないわァァ!!」
『!』

 西野が刀を構えて向かって来るが、彼の雄叫びを聞いた瞬間二人の目つきが変わった。

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設定タグ:銀魂 , 逆ハー , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください!  (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時

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