チンパンジーは馬鹿だが器用だから油断はするな 二 ページ36
神楽の乗る岩に大きく亀裂が入り、粉砕されて西野が突き出てきた。
「気に入ったァァ!!その鬼神の如き力!ぬしの相手、この柳生四天王が一人、西野掴があい仕る!」
「オイ!」
「アンタはこっちだ。真選組の鬼副長さん」
土方が神楽を援護しようとするが、背中合わせに北大路が牽制した
「気づかぬとでも思ったか。市中で侍気取りの猿を引き連れ、忙しいAさんを連れ回すお山の大将さん」
北大路は何か不快な様子で眉を寄せ眼鏡を指で上げ直す
「アンタには少し話したいことがある。本物の侍が何たるか、この北大路斎が教えてやろう」
「上等だ」
土方は煽られて青筋を浮かべて喧嘩を買った。
そのそばで、南戸は沖田を見て笑う。
「ほいじゃアンタは俺かィ。南戸粋だ。まあ二枚目同士、仲良くやろうや。どーだい兄ちゃん。俺たちはツラへの攻撃はナシにしねーか?あんまりボコボコになるのもな。お互い泣く女がいるだろ?」
南戸は顎に手を当て笑い、沖田は彼の質問に即否定しようとした。
が、ある人物が脳裏に浮かんで口を開けたまま言葉がしばらく出なかった。
「アンタらセレブとちがって俺たち芋侍は女に縁がねェ……まあ、Aさんは俺がやられて血流してたら泣きそうだけど」
沖田の発言に南戸が眉を寄せた。
その表情の変化に沖田が思い出したように言葉を出す。
「そーいやアンタ、さっきから随分とAさんにご執心みたいだねィ」
「なんだァ?お前もあの人に惚れてんのか」
「……隠す気ねーのかよ」
沖田はいつものやる気のない顔だが目つきが鋭く不愉快そうにしていて。
彼がAを気にしていると分かり南戸は笑った。
「やめときなー。あの人には色んな男がたかってんだ。その中にはヤベーのがゴロゴロいる……そのカワイイツラした草食系なアンタじゃ、無理だな」
「俺は肉食でィ。そういうアンタは顔面男性 器だからあの人は無理だって」
「いやどの辺!?なんで身内じゃない奴にまでそのいじりされんの!?そんな男性 器なの俺の顔?」
北大路や西野だけでなく沖田にまで顔をいじられてツッコんだ。
「冗談じゃねーや。アンタみてーなチャラついたのがAさんに寄り付いてるってだけで……虫唾が走る」
「ッ!」
沖田の目が鋭く殺気を帯びて南戸を睨み、彼は思わず一歩後ろに下がる
「アンタもAさんに気狂いしたタチかい。やっぱりあの人の周りは、うるさくてしゃーねーや」
南戸は冷や汗をかきながらも笑った。
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時