【銀魂】シスコンな兄の尻拭い９ 【柳生篇】

ワレモノ注意　三 ページ29

「それにアンタ昔A殿が作りすぎたときも全部食べてお腹下してたでしょォ！！」
「いやだって捨てんの勿体ねーし。アレ美味しかったからつい食べ過ぎちゃった」
「いや分かるけど！！ワシも食べ過ぎたし皆その日一日満腹で倒れてたけど！！」

　過去にAが料理を作った際、作り過ぎた豪勢な料理は勿体ないので皆で食べた。

　その料理群は量が多過ぎるが、それでも美味しそうで勿体ないし食べたいという思いを全員に抱かせてしまい屋敷の全員が満腹で一日倒れることとなった。

　男子禁制のそこに敏木斎が来たことでオババが怒り騒がしくなる。

　一方、屋敷の庭では新八たち恒道館組と、柳生四天王率いる門下生たちを連れ九兵衛が勝負の説明を始めた。

「君たちの側から無理やり押しかけてきたんだ。ルールは柳生流に従ってもらう。依存はないだろう？」
「上等だよ何でも来いコノヤロー」

　九兵衛の問いかけに銀時がいつもの気の抜けた顔で煽り

「坊ちゃん剣法かコラァ、オセロでもやろーってんじゃねーだろうなコラァ」
「言っとくけど私はオセロつえーぞ！！四つ角全部とるぞォォ！舐めんなよ！」
「二人とも小学生ですか」

　近藤と神楽が息巻いていてAが呆れていた。

「ここに皿がある。これを各々、自分の身体のどこかにつけてくれ。そちらは八人いるから、こちらは僕と四天王ともう一人おじい様の他に二名門下生を追加する」

　九兵衛が提示したのは柳生家の屋敷すべてを使った、八対八のサバイバル戦。

　小皿を首級に見立て、それを割られた者はその場で勝負から脱落となる。

　大将の皿を取らなければ勝利とはならず、逆に仲間が何人やられようが大将さえ生き残っていれば負けにはならない。

　大勢で一人を囲もうが逃げ回ろうが構わない、荒っぽい喧嘩のような勝負スタイルである。

　土方がタバコを口から離して言葉を出した

「いいのか？型にハマった道場剣法ならアンタらに分があるが、喧嘩なら俺達ャ負けねーよ」
「いや、そうとも言い切れないよ」
「どういうことだ」

　Aが土方の言葉を否定して、銀時たちは不思議そうにした。

「この形式は柳生家に伝わる合戦演習で年に一度行われるもの。例え喧嘩と似た荒っぽいやり方でも、あっちにはその経験が長らくあるからこっちが優勢とは限らないよ」

　それを聞いた九兵衛はフッと微笑んだ

「さすがはA。何度か演習に参加してきてるだけはあるね」

　九兵衛は嬉しそうにしてAを見つめた

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