兄妹離れは なかなかできないもの 一 ページ3
「キャアアア!土方はん!土方はんやわ!」
「今日はあの
「キャアアア!こっちの席に来て土方はん!」
スナックすまいるに土方が訪れると、スナック嬢たちが黄色い声を出して歓迎した。
彼が指名したのは
「どーいう風の吹き回しですか?最近、
お妙は土方の横に座りながらも、目線は合わせずに尋ねた。
「真選組の皆さんは豪気な方が多いですね。税金使ってキャバクラ遊びですか」
「俺だって来たくて来たんじゃねーってんだよ」
「良いんですか。Aさんを放って、こんなところに来て」
「は、はァ?何でアイツの名前が」
土方はAの名前が出てきて顔を引きつらせつつ水を飲む。
「あら。アナタはてっきりAさんに夢中なのかと思ってましたけど」
「ブフォ!!」
思わぬ言動に土方は思いっきり水を吹き出してしまった。
「やだ汚い」
「おめーが変なこと言うからだろーが!!」
冷めた目で見てくるお妙に土方は青筋を浮かべてキレた。
「でも、事実なんじゃないですか?」
「……さァな」
土方が顔を背けて、お妙は少し黙ってしまう。
「あの人、人気ですし。あまり道草食ってると誰かに食べられるかもしれませんよ」
「わーってるよ、んなこと。だが今はアイツ自分のことで精一杯だろ」
新しいタバコを出して、お妙がそれに火をつける。
「今はまだ、その時じゃねーよ」
それより、と土方は続けた。
「Aじゃなくて。今日は近藤さんの話しに来たんだよ」
「
『お妙さァァァん!!』
お妙が不思議そうにしていると大きな声がして、私服の真選組の男衆が席に来た。
後ろの方には戦やAもついて来ている。
男衆は地面に座り込み、土下座して
『どうか局長の女房に……俺たちの姐さんになってくだせェェェ!!』
彼らの悲痛な叫び声がこだました。
「み、みんな本気なんだ……」
「そりゃあ、局長の見合い相手がアレだしなァ」
後ろでAは呆れた顔をして、戦は頭を掻いていた。
「何なんですかコレは。腰の低い脅迫?」
「……実はな、近藤さんに縁談の話が来てる」
「アラ、良かったじゃないですか。これで私へのストーキングもなくなるし、近藤さんも愛妻ができるし皆幸せになれますね」
土方がタバコをふかしながら伝えれば、お妙はニコニコと返した。
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刹那*桜(プロフ) - あいさん» ありがとうございます!! (2022年12月27日 20時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメ失礼します!! めっちゃ面白いです!! これからも頑張ってください! (2022年12月26日 19時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - あたりんさん» ありがとうございます!! (2022年11月20日 0時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2022年11月14日 16時) (レス) id: c0f0373936 (このIDを非表示/違反報告)
刹那*桜(プロフ) - 花香さん» コメントありがとうございます!9個もあって長いですなか一気に読んでいただきありがとうございます!!わりと読みづらい所もあるかと思いますが好みと言ってもらえてとても嬉しいです!!(;ω;) (2022年11月7日 23時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年11月7日 0時