人は見かけによらぬもの 二 終 ページ50
『うーん、僕しては花を育てて皆さんと交流できたらと思っていたのですが……』
Aから花粉の件を聞いて、ヘドロは困ったように声をもらした。
『んー、そうですね……今の開放的な状態では花粉が外に出放題なので、仕切りを作るとか――』
彼女は顎に手を当て、真剣に対策を考えた。
それも周りの住民達が満足する形だけでなく、ヘドロに寄り添う形での案を捻り出していく。
ちゃぶ台を挟んで、うんうん唸るAにヘドロは口を半開きにして呆気に取られていた。
『何かと物が入り用になるでしょうね……よければ手伝わせてください。何か必要なものがあればお渡ししますよ』
『いえ、でもそれはさすがに……』
『……私、花が好きなんです』
大きな図体で戸惑って遠慮するヘドロにAは微笑んだ。
『ヘドロさんの育てた綺麗な花、せっかくだから皆にも見てほしいなって思うんですよね』
彼女はヘドロが庭で育てている花々を見回した。
『だから、より良い形に落ち着くなら私は何でも協力しますよ。他でもない、私がやりたいことなので』
『……』
Aがにっこり笑って、ヘドロは驚いて言葉が出てこなくなる。
少し間が空いて
『Aさんは、ちょっと変わっていますね』
ヘドロは嬉しそうに、いかつい口角を上げた。
時は戻って、Aは綺麗な黄色の花が植えられた鉢を持ってくる。
「私が一応、仲介的な感じで花の販売を手伝ってるんだけど結構売れ行きいいんだよー」
綺麗でしょ、と自慢げにいうAを銀時たち三人はジッと見つめる。
「……なんか僕、Aさんが一番常識からズレてる気がしてきました」
「なに言ってんだ新八。そんなの最初から分かりきってたことだろ」
「これじゃあAに敵なんてできなさそうアルな」
三人はコソコソ小声で話して
「とりあえず……」
『回覧板は次からAに頼も……』
三人とも意見が一致した。
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時