ヒトを護る為の力 三 ページ45
「おーい早く逃げねーと死ぬぞてめーら」
パトカーで悠々と逃げながら窓を開けて土方が笑っていた。
「なに一般市民さしおいてパトカーで逃げてんの!?」
「しかし奴さん、運の悪いことに今度の住まいはターミナルか」
土方は後ろで追ってくるえいりあんを見ながら呟く。
ターミナルは膨大なエネルギーを使って船を転送するもので、エネルギーのポンプと言える。
えいりあんの急激な成長力はターミナルのエネルギーを食らったせいだった。
「やべーな、このままじゃ江戸は食い尽くされるぞ……」
「! 逃げ惑う人々を押し切って何かがこちらへ……アレは犬と、女性と……侍!?」
ニュースキャスターが驚くなか、定春に乗った銀時とAは真選組の上を跳び抜ける。
「Aと旦那ァ!?」
「お前ら何……」
「あ、これカメラ?」
Aは定春から一旦降りるが、銀時は乗ったままカメラを見つけてそちらに顔を向ける。
「えーっと、映画えいりあんVSやくざ、絶賛上映中。見にきてネ」
銀時は映画の宣伝だけすると定春に乗ってえいりあんの方に走っていった。
「旦那ァ!」
「野郎死ぬつもりか!?」
沖田と近藤が驚くがAと戦は動じずに見守っていた。
「定春、散歩の時間だ。今日はどこでクソたれようがじゃれようが自由だよ。めいっぱい暴れな」
銀時は木刀を手に構える。
「いくぜェェェ!!」
勢いよくえいりあんの元に走るが、
「あり?」
定春ごとえいりあんに食われた。
『え゛え゛え゛え゛!!』
真選組は全員絶句して、驚愕の声を上げる。
「呑み込まれたァァ!散々カッコつけて呑み込まれちゃったよおいィィ!何しに来たんだァァ!?」
「……」
Aは無言で近くにあった消火器を手に取る。
「え?ちょ、Aさん?何して……」
近藤は彼女のしようとしていることが何となく想像できて顔を引きつらせた。
「……ふんっ!」
Aは力み声と同時に思いっきり消火器をえいりあんにぶん投げた。
消火器は風を切り、轟音を立ててえいりあんの上半分をズバババと破壊していった。
真選組だけでなく戦までも絶句する。
破壊された途中でえいりあんの中に入っていた定春と銀時が見えて、彼は顔を引つらせ頭を抱えてビクビクしていた。
「ちょ、え……今投げたの消火器だよね?大砲とかじゃないよね?」
「……近藤さん、最近の消火器ってのはえいりあんも破壊するらしいな」
近藤と土方も引き立った顔で言った。
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時