【銀魂】シスコンな兄の尻拭い 5

美人でも拳はゴリラだったりするのもいるから舐めちゃいけない　三　終 ページ34

えいりあんは星海坊主を危険人物だと認識したのか猛スピードで触手を放ち、彼だけを狙い撃ちした。
　星海坊主は番傘を投げてしまって武器がない。
　仕方なく彼は痛みを覚悟して受け止める体勢を取る。

――が

『！！』

　Aが星坊主の前に出て、猛進して来た触手を片手で受け止めた。
　手のひらから大量に血が出て、音を立てて下にこぼれ落ちるが、しっかりと触手を受け止めている。

　Aは片手で小刀を出し、掴んだ触手を切り裂いた。
　裂けて自分の手に掴んでいた触手を投げ捨て、血まみれの手を下ろす。
　こぼれ落ちていた血が止まり、傷がすぐに修復していった。

「！」

　星海坊主はその手を見て目を見開いた。

「まさか、お前……ッ！」

　彼が何か言おうとするが、えいりあんが先ほどよりも多い触手の猛攻をAに放った。

『A！！』

　銀時と神楽たちは慌てて叫ぶ。
　しかしAは至って平静で、小刀をしまい足を後ろに開いて拳を構える。
　触手が自分のところに到達すると同時に拳を振るった。

　ゴパァァンと破裂音と打撃音が響いて触手が裂け、衝撃波が本体のえいりあんまで届いて壁ごと打ち抜いた。

『！！』
「えいりあんって、こんな感じなんだ……な、なんかヌメヌメする」

　うへェ、と嫌そうに手を振るAに銀時達は顔を引きひきつらせた。
　彼女に強打を打たれたえいりあんは泡を吹いて気絶していて。
　星海坊主は口を開き、顔に険を浮かべて冷や汗を流す。

「まさか……本当に生き残りがいたとは」

　低い声で呟き星海坊主はAを睨んで、警戒心を抱き拳を握った。

優しい灯火でも強火すぎると恐怖を与える　一→←美人でも拳はゴリラだったりするのもいるから舐めちゃいけない　二

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