この世にただ一つしかない財宝には鷹が何匹も群がる ニ 終 ページ31
「これがただ、無茶する仲間を心配する気持ちだっていうなら、なにも問題はないんだが」
「わっ……」
服部はずっと立っているAの手を自分の方に引き、横に座らせる。
「お前にはちょっと、鷹が多すぎるわ。さすがに将軍様がライバルってのは稀に見ない状況だしな」
「……そういえばお兄ちゃんにも、茂茂様が私を慕ってくださってるって言われたよ」
「お、遂に自覚し始めたか?」
「なんでそんなニヤニヤしてるの」
「そりゃお前、静かだった餌が風で動き始めたら、世に散らばる鷹はいっせいに暴れ回るからな。なかなか面白いものが見れそうだ」
服部の言葉を聞いて「他人事だと思って」とAは恨めしそうにいう。
「全蔵君はどうなの」
「は?」
「全蔵君は、その鷹のうちの一匹なの?」
「だから俺は醜女が好きだって」
「でもさっき、私は例外だって言ってたよね」
Aはグッと距離を近づけ、全蔵の膝の上に乗る。
「全蔵君は、私を追いかけてくれるのかな」
彼の頬に手を添えて顎を上げ顔を近づける。
普段は前髪で隠れている目が見える。
その目が捉えるのは、いつもは緩い雰囲気の女が、挑発的な笑みを浮かべている姿で。
「ッ……!」
自然と胸が打たれる。
目を見開いて固まっていれば、Aがフッと笑って軽くデコピンした。
「いっ」
「ふふふっ、冗談だよ。じゃ、私はそろそろ帰るね。風邪引かないようにねー」
Aは立ち上がると背を向け、手を振って歩いていった。
そんな彼女に服部はため息をつく。
「アイツほんと危機感ないな……そのうち男に食われるんじゃないか……?」
さらなる不安が増えたことを、Aは知るよしもない。
美人でも拳はゴリラだったりするのもいるから舐めちゃいけない 一→←この世にただ一つしかない財宝には鷹が何匹も群がる 一
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時