神は鬼を殺さず暴徒を砂状へと化す 一 ページ3
闘技場のリングで鬼獅子が侍達を金棒で殴り倒していく。
天人と笠を被った天導衆の男が愉快そうに見ていた。
鬼獅子は「
荼吉尼は、夜兎や
突然リングに歓声が響く。
「何事だ?」
「!あれは……き、鬼道丸!?」
鬼道丸の鬼面を被った銀時がリングに現れた。
天人は驚き焦っていたが、天導衆の男は笑って面白がっていた。
「貴様、何故ここにいる。貴様は邪魔をしてきた女と共にわしが殺したはず」
鬼獅子の言葉に、鬼面下の銀時の瞳が殺気を帯びる。
「……てめーか、俺とあのネーちゃん殺したのは。死道に他人巻き込んで、夢見が悪くて起きちまったじゃねーか。どうしてくれんだコノヤロー」
「ここはもう貴様の居場所ではない。立ち去れ」
「消えねーさ。真っ直ぐに生きたバカの魂は、たとえその身が滅ぼうが消えやしねー」
「ほう。ならばその魂、今ここでかき消してくれる!!」
二人同時に獲物を構え、攻撃を放った。
金棒と木刀の衝突音が響く。
銀時の鬼面の角が片方割れ、鬼獅子の額から血が噴き出る。
鬼獅子は腰に差していた短刀を抜き、銀時に向けて振るった。
その刃は鬼面を貫く。
が、面を脱いだ銀時が下に屈んでいて、顔を上げてニタッと笑う。
銀時は両脚を開いて地を踏み、下から鬼獅子を斬り上げた。
鬼獅子は手で木刀を受け止めるが、
「終わったな」
天導衆が言葉を放った。
「!」
鬼獅子が片手で金棒を振り上げ、勢いよく銀時の横腹に叩きつけた。
「ぐぼェェ」
銀時は目を見開いて口から血を流し、濁った声をもらした。
「人間してはよくやった、だが……」
銀時の様子に天導衆は言葉を止める。
「ククク」
「!」
銀時は金棒と脇の間に木刀を差し込んで食い止めていた。
木刀と金棒が押し合い、ミシミシと音を立てる。
「おいデカブツ。こんなモンじゃ、俺の魂は折れねーよ」
銀時は顔を上げる。その口元は笑っていて、いつもは死んだ魚のような目も、しっかりと前を見つめていた。
ーー!あの眼は……本物の侍の目だ
天導衆は彼の眼を見て驚く。
銀時は地を踏み込み、木刀で力強く鬼獅子を吹き飛ばした。
闘技場が一気に静寂に包まれる。
鬼獅子の巨体が地面に音を立てて倒れ、大きな歓声が湧き上がった。
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時