記憶喪失なんてモンは治さなくても都合よく教えればいいのさ ニ ページ20
「なんだ、割と元気そーじゃねェか」
「この間の重症の傷が悪化しないか心配だったけど、その様子じゃァ大丈夫そうだね」
銀時とお登勢は悲惨な姿を予想していたため少し呆気に取られて言う。
「もう心配かけて!次から外出のときずっとくっついてやるアル!」
神楽はギュッとAにしがみついて喚いていた。
抱きつかれて彼女は驚いていて。
「直近で二回も病院に運ばれたんですから、ほんと心配しましたよ」
新八がいうと、Aは目を見開いて声を出した。
「誰……?」
『え?』
五人の声が同時に出てくる。
「いったい、あなた方はどなたですか?私の知り合い、ですか?」
Aが戸惑った様子で言えば、五人全員が白目をむいて驚愕した。
「き、記憶喪失!?」
新八が大声で驚き、男性医が事情を説明した。
「いやー。この前運ばれてきた時みたいに致死的な傷だったのにいつの間にか治っててね。やっぱ俺って凄腕の医者なんだね、ブ◯ックジャックだったりする?」
『しねーよ』
医者は額から左目あたりに縫い跡があるため、某医者に似てはいる。
しかし彼がふざけて言えば全員が否定した。
「そんなこんなで怪我自体は大丈夫なんだけど、頭を強く打ったらしくて。その拍子に記憶もポーンって落としてきちゃったみたいでねェ」
医者いわく、人間の記憶は木の枝のようになっていて、その枝の一本をざわめかせられれば徐々に戻ってくるとか。
「あー、そうそう。記憶を失くした状態の人ってのはその後から得る情報が強く残るモンなんだ。だから嘘の事は教えないようにしてくださいね。後から訂正が効きにくくなるから」
医者が釘を差すが、銀時はそれを聞いて何か思いついたような顔をする。
そして、しゃがんでAと視線を合わせつつ、彼女に情報をゆっくり与えていった。
「お前の名前はAAってんだ」
「A……」
「そ……んで、俺は坂田銀時――お前の恋人だ」
「え」
Aは驚いて目を見開いた。
瞬間、目の前の銀時が壁に蹴り飛ばされる。
「なに言ってるネこの天パ野郎ォォ!!」
「銀さん人の心とかないんですかァ!!」
「アンタみたいなちんちくりんがAの恋人なんて百年早いわァァァ!!」
「百年ナンテ甘イデス、千年早イワ」
神楽と新八、お登勢とキャサリンが思いっきり殴る蹴るしていて。
「手術室で暴れるなァ!!」
看護師が怒鳴るなか、Aは一人赤面して困惑していた。
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時