最近入ってきた新人が仲間の心に強く住み着いているので家賃を請求できるんじゃないだろうか 三 ページ15
「あまり勝手に動いていると身を滅ぼすことになるぞ。もしも長生きしたいのなら、利口に生きることも覚えよ」
近藤は眉を寄せながらも黙って受け入れる。
天導衆は釘をさし口頭注意をして、一つある罰を課した。
「罰としてお前たちに調査を一つ言い渡す。『黒の死神』について調べてこい。そして、そやつが星人であるかの確認をするのじゃ」
近藤は「え」と小さく声をもらして驚いた。
なにせ星人族が絶滅してしばらく経てば、その言葉を口にする者もだんだん減っていく一方だった。
今では話題に上がることなど全くなくなっている。
そんな世の中で唐突にその名を出されて近藤は少し戸惑っていた。
「星人は、確か絶滅したはずでは」
松平はなぜか眉を寄せていた。
「惜しいことに、そう言われているなァ。だが噂の死神は星人に匹敵するほど強いと聞く。もしや生き残りかも知れん。調べて損はないだろう」
その死神が星人だったらどうするつもりだ、と二人は言いたくなってしまう。
しかし何とか喉元で堪えて、命に従った。
天導衆から解放されて外に出ると、もう夕方になっていた。
二人は川を眺め松平は一服する。
「何とか生き残れたな。こんなことはこれっきりにしてくれよな。オジさんだって家庭があんだよ」
タバコをふかしながら松平は言う。
「それにお前らだってこれが最後だぞ。次にこんなことがありゃお前ら……」
「ああ、わかってるよ。とっつぁん色々迷惑かけてすまなかった――次はバレないようにやるさ」
「……フン。分かってりゃいいんだよ」
近藤は仲間が正しいと思った行動を辞めさせるつもりはない。
それを承知で松平は黙認した。
「にしても、まさか星人なんて言葉聞くことになるとはなー」
そんなの聞くのいつぶりだ?と近藤はつぶやく。
「かつては宇宙最強だったけど、今はもう絶滅したって種族だ。今さら探したところでなァ」
「案外そうとも言いきれねーぞ……もしかしたら、その生き残りがいるかも知れねェ」
「おいおいとっつぁん、急になに言い出してんだよ」
少し口角を引きづらせながらも近藤は笑って冗談として流そうとする。
しかし松平は特にふざけた様子もなく、真剣な顔で続けた。
「ちょいと気になっちまったもんで、Aの身辺調査をした。そしたらよォ……アイツ、もしかしたら星人の可能性が出てきてな」
「え……いや、え、Aさんって……」
近藤は急に彼女の名前を出されて驚いていた。
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時