最近入ってきた新人が仲間の心に強く住み着いているので家賃を請求できるんじゃないだろうか 一 ページ13
松平と近藤は、煉獄関の件で天導衆に呼び出された。
土方たちがその件で暴れていた頃、ちょうど近藤は出張に行っていたらしい。
近藤は土方から、Aが大怪我を負って病院にいると言うことしか聞かされなかった。
「Aさんは瀕死になるまで大怪我したらしいし、天導衆に呼び出されるし……いったい俺のいない間に何があったんだ」
近藤は天導衆からの呼び出しに怖気付いて冷や汗を流す。
「安心しろ、アイツの傷はもう治ってるみたいだ。ただ……まだ目を覚まさねーらしいが」
松平は眉を寄せて低い声を出した。
Aの体に傷はないが、アレから3日ほど経っても彼女は目を覚ましていない。
「おおかたトシと総悟がAさんの敵討ちに動いたんだろうが。こ、このあと切腹とかにならなきゃAさんの見舞いに行こ……」
切腹を命じられれば、お先真っ暗である。
近藤は怖がって顔をひきつらせていた。
天導衆の元に向かう道中、長谷川さんをとっつぁんが殺し屋だと勘違いして車を爆破炎上させたり、
とっつぁんがエリザベスを跳ねたり、
桂の恨みを買って爆弾で攻撃されたり、
色々あって二人はボロボロの状態で天導衆の元まで辿り着いた。
暗闇のなか二人が中心に立ち、周りを囲む十数本の柱の上に天道衆たちがいた。
「よく来た。今回は違法賭闘技場、煉獄関について話があって……ぬしら何かあったか?」
天導衆の一人が話すが、二人のボロボロな姿を見て尋ねる。
それに対して松平が「ドーナツ作りに失敗しまして」と答えた。
「ククク、またどこぞで暴れたのではないか?」
「なんでも三十数人で煉獄関を鎮圧したとか……立派なモノだ。だがしかし、功を焦らぬよう気をつけることじゃ。正義感も結構だが辺り構わず噛みついていると相手が狼だったなんてこともあり得る」
現に、と天導衆が続けて。
「我々のAが、巻き込まれて大怪我を負ったそうじゃないか。せっかく大事に扱ってやろうというのに」
『!』
その言葉に二人とも反応する。
――『我々の』、だと? いつからあの人はアンタらの物になったって言うんだ。
近藤は眉を寄せる。
それ以上に不快感が胸に膨らむが、表に出ないように我慢していた。
ーージジイどもが若いAに色気付きやがって。テメーらはアイツと対等に並ぼうともしねーくせによォ。
松平は今すぐにでも舌打ちしたい気持ちになっていた。
しかし表情一つ変えず、憤怒を内に沈める。
最近入ってきた新人が仲間の心に強く住み着いているので家賃を請求できるんじゃないだろうか 二→←神は鬼を殺さず暴徒を砂状へと化す 十 終
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刹那*桜(プロフ) - noche/ノーチェさん» ありがとうございます!! そう言っていただけでめちゃくちゃ嬉しいです! これからも頑張っていきます(⸝ᵕᴗᵕ⸝⸝) (2022年9月13日 21時) (レス) id: f89dd253f0 (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - 続編おめでとうございます!ずっと前にお気に入り等々は済ましていたのですがコメントは初めてさせていただきます。いつもこの作品を見るために占ツクを開いているくらいとてもこの作品が好きです。これからも愛読させて頂きます!これからも頑張ってください! (2022年9月13日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:刹那*桜 | 作成日時:2022年9月13日 20時