【ヒロアカ】虐待受けてたJCが二次元に飛ばされてました (ページ15)

今日:7 hit、昨日:3 hit、合計:10,807 hit

15 学級委員を決めようページ15

チャイムが鳴り、皆が着席する。相澤が教壇に立ち、皆が相澤に視線を寄せる。

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと成績見させてもらった」

爆豪が相澤からお咎めをもらい、次に緑谷に言う。

「で、緑谷はまた腕ブッ壊して一件落着か。
個性の制御…いつまでも『出来ないから仕方ない』じゃ通させねえぞ」

相澤は厳しめな口調で緑谷に言った。緑谷はその表情や声に怯え、肩をビクッと上げる。

「俺は同じ事言うのが嫌いだ。それさえクリアできればやれることは多い。焦れよ、緑谷」

「っはい！」

遠回しな励ましだ。なんだかんだで、相澤は緑谷に期待しているのだろう。美麗はそう思った。

「さてHRの本題だ…急で悪いが今日は君らに…」

相澤の言葉に生徒達は緊張を走らせ、ゴクリと唾を飲む。

「今日は学級委員長を決めてもらう」

学校っぽいの来たー！！と生徒たちが歓喜し、前のめりでほぼ全員が手を挙げる。
美麗も全くその気はないが、手を挙げる。ここでは、手を挙げた方が普通なのだ。

そんな中、1人だけ挙手をしていない生徒が目についた。轟である。

(やっぱ挙げないよねー。そういや焦凍はヤオモモに入れるんだったな)

民主主義に則り推薦の多数決で決めよう！！と飯田がびしっと挙手しながら、自己主張が激しいのか激しくないのかわかりにくい意見を主張した。
その言い分にしぶしぶながら納得したクラスのメンバーは、八百万の人数分の投票用紙を作るという発案に乗ることにした。

「僕3票ーー！？」

投票が終わり、その結果を黒板に書き出すと、緑谷はそう叫んだ。ガタッと座席から立ち上がるほどの衝撃を受けた。
苦節15年、生まれてこのかた学級委員長になど推薦されたことのなかった彼は、他を差し置いて人気役職に抜擢されたことを喜んでいいのかわからずに、顔を引きつらせたままその場から動けずにいる。

「なんでデクに…！！誰が…！！」

わなわなと震えながら小さく怒りを顕にする爆豪。そんな爆豪が怖いのか、どこぞの吹く風の如く口笛を吹くお茶子。まじ草。
前の座席に座る対照的な二人の座席の間を通り、緑谷は複雑な面持ちのまま教壇へと進み出た。

「じゃあ委員長緑谷、副委員長八百万だ」
「ママママジでマジでか…！」

悔しいと呟くヤオモモだが、君に票を入れてくれたボーイは、ちゃんと君のこと見てるよ。

せっかく委員長になれたのに変わっちゃうんだよな、と思い出し、現委員長緑谷の姿を焼き付けた。