オタク、贈り物を貰う。 ページ20
「Aくん、今日は良い物持ってきたんだ〜!きっと気に入ってくれると思うんだけど....!!」
そして今日も、いつも通り、景虎さんが夜にやってきた。
いつも通り、やかましい挨拶付きで。
実は最近、結構な頻度で景虎さんはこの家に来てくれる。
どうやら、忙しかった仕事も最近落ち着いてきたらしい。
ニコニコと、太陽のような笑顔で氷川さんに話していたのを覚えている。
氷川さんにまとわりつく姿もセットで。
そして、来てくれるたびに何か手土産を持ってきてくれる。
例えば、町で1、2を争う団子屋の団子とか、呉服屋らしく綺麗な布で仕立てられた着物とか。
私と氷川さんの家計は正直、裕福とは言えないのでこういう細々とした手土産が、実に助かっていたりする。
本当にありがとうございます!!!!!!!
「じゃーん!!見て見て!!」
掛け声と共に、景虎さんの目の前に出されたものは、氷川さんのものより濃い、水色の羽織であった。
ところどころ、雪文様があしらわれており、その雪文様が蝋燭の火をあびてキラキラと光る。ここだけ、何か違う糸で縫われているのだろう。私は、羽織の美しさに言葉を失ってしまった。
なんて綺麗なんだろう。
「気に入ってくれた?」
「えっ、は、はい!!凄く!!!」
「じゃあ、はい!」
景虎さんは私に、その綺麗な羽織を押しつけてきた。
「い、いいんですか....?」
「もちろん!Aくんの為の特注品なんだから!!」
その綺麗な笑顔に、ほだされてしまう。
綺麗な羽織を受け取る。ひらひらと裾が翻る。
やばい、やばい。顔がにやける。
今の私より、大きく作られている羽織。
胸を鳴らしながら、羽織ってみる。
私も。私も、鬼殺隊に入ったら、この羽織を着て、氷川さんみたいに。
大切な、守りたい人たちを自分の力で守る。
そんな、そんな剣士に私も−−−−−.....。
「Aくん?」
「おあっ!?!はい!!景虎さん、ありがとうございます!!!」
「あはは、いいよ、いいよ。」
にっこりと笑った。
「うん、凄く似合ってる」
氷の呼吸の、鬼殺の、氷川の、子。
そういう証。
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Stella.Ms.an - うう、 (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
Stella.Ms.an - アッ、すみません取り乱してしまいましたいまのはわすれてくれますよねそうですよねニッコリ (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - はるさん» ありがとうございます!のんびりとですが更新していきますので、どうぞお付き合いください。景虎には醜く退場して貰うつもりなので、お楽しみに! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - 雨傘さん» コメントありがとうございます!じょ、女装?!でも顔は普通に男前なので、似合ってしまいそうなのが更に腹立たしいところですね....!! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 更新頑張って下さい!そして景虎さんに悪の撤退を! (2020年3月14日 16時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シレア | 作成日時:2019年7月22日 22時