オタク、寝る。 ページ18
「ようし!今日はAくんと一緒に寝よう!」
「......どうぞ!」
自室の部屋の扉が勢いよく開かれた。
もう、何も言うまい。
私は諦めていた。
景虎さんは最近ますます私に対して遠慮がなくなってきた。
最初の頃は、断っていた添い寝のお誘いも、日が経つにつれ、どんどん面倒くさくなり、今では布団を仲良く並べてお眠りする仲なのである。
それも全て、彼のよく廻る口と太陽の如き笑顔のせいなのだ。
く、くやしい........!!!!
ほだされちゃう...!!!!!!
ニコニコと布団の準備をする景虎さん。
彼はいつも氷川さんに愛を囁く。
...囁くというか叫ぶというか。
悲しいことに氷川さんも満更でもない様子だ。
それを見て私は、やはり面白くないのだ。
おい、氷川さんは私の師匠で誰よりも1番の素晴らしい剣士なんだぞ。
2人がそういう関係なのは知ってるけれど、限度ってものがあるでしょうよ!
私の気持ちもどこ吹く風といった様子の景虎さんに、私は最近ずっと思っていたことを口にした。
「....景虎さんは氷川さんのどこに惹かれたんですか?」
弟子の私がこんなこと言うのも何だが、氷川さんは恐がりで臆病者でなかなか面倒くさい性格をしていると思う。
あまりにも自分に自信がなさすぎて、呼吸を教えてくれるときも、「あれ?これで良かったかな?」とか「もしかしたら違うかもしれない....」なんてほざくのである。
貴方が考えた呼吸方法なんですから。
自信持ってください。
修行中、師匠と弟子が半信半疑で技を教え学んでいく姿は、どれほど間抜けに映っているだろうか。
それに料理もあんまり上手じゃないし、お淑やかな淑女って訳でもない。
それなのに。どうして。
景虎さんは私の言葉を聞いて、少し目を丸くした後に、ニッコリと笑った。
その顔は、恐ろしいほど美しかった。
「うーん.....ちょっと抜けてるところもあって、女の子らしくないところかなあ」
「そんなところが好きでお付き合いを始めたんですか......?」
「うん」
「だって、」
「馬鹿な女ほど見てて飽きないでしょう?」
カツンと音を立てて灯が消えた。
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Stella.Ms.an - うう、 (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
Stella.Ms.an - アッ、すみません取り乱してしまいましたいまのはわすれてくれますよねそうですよねニッコリ (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - はるさん» ありがとうございます!のんびりとですが更新していきますので、どうぞお付き合いください。景虎には醜く退場して貰うつもりなので、お楽しみに! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - 雨傘さん» コメントありがとうございます!じょ、女装?!でも顔は普通に男前なので、似合ってしまいそうなのが更に腹立たしいところですね....!! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 更新頑張って下さい!そして景虎さんに悪の撤退を! (2020年3月14日 16時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シレア | 作成日時:2019年7月22日 22時