オタク、思い違いをする。 ページ16
扉を開けた先には、瞳が赤く、肩までの長さの黒髪を持ち、鶯色の着物を纏った、1人の男が立っていた。
私はこいつを知っている、気がする。
初めて見た顔。初めて聞いた声。
全てが、初めての男だ。
なのに。
本能が告げる。
お前は知っている。
こいつの正体を、と。
「ぁ、あの....」
「....景虎?」
自分の背後から声がした。
咄嗟に後ろを向く。
そこには、氷川さんが立っていた。
私は声を出すことも出来ないまま、すいっと氷川さんの更に後ろに下がる。
まるで何かから逃げるように。
「氷川っ!!!氷川〜〜〜〜っ!!」
男は氷川さんを目にするなり、凄い勢いで突進してきた。
それを氷川さんは、低い悲鳴をあげて受け止めた。
「ごめん!!ごめんね!氷川っ!!」
「い、いいの。貴方もお仕事大変だったんでしょう?」
「そんなの関係ないよ!だって俺達、お付き合いしてるんだよ?それなのに全然会えてないなんて、あまりに不誠実だ!!」
まるで茶番だ。
2人のラブラブな様子を見せつけらた私は、ようやく正気に戻ることができた。
ああ、こんな濃い人と会ってたら、絶対忘れてない。
きっとこれは私の思い違いだ。
そうだ。そうに違いない。
手のひらを服で拭く。
いつのまにか手汗をかいていた。
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Stella.Ms.an - うう、 (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
Stella.Ms.an - アッ、すみません取り乱してしまいましたいまのはわすれてくれますよねそうですよねニッコリ (2022年6月28日 19時) (レス) @page36 id: 44b715b917 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - はるさん» ありがとうございます!のんびりとですが更新していきますので、どうぞお付き合いください。景虎には醜く退場して貰うつもりなので、お楽しみに! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
マイケル(プロフ) - 雨傘さん» コメントありがとうございます!じょ、女装?!でも顔は普通に男前なので、似合ってしまいそうなのが更に腹立たしいところですね....!! (2020年3月21日 0時) (レス) id: ab4a955ce1 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 更新頑張って下さい!そして景虎さんに悪の撤退を! (2020年3月14日 16時) (レス) id: de479982fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シレア | 作成日時:2019年7月22日 22時