その誠意に応えるのは当然の事。 ページ17
□ 竜胆梵(桜桃様宅)
最初はクールに見える梓。梵はそんな梓と最初話す事が出来ないと思っていただろう。然し、今では似ている様で違う２人として、和やかな雰囲気を作り出し、他愛ない会話を楽しむ仲となっている。
梵は、自分を貶す事に関して梓より上だ。その為、自身への自虐発言をする梵に、そんな事は無い、と直ぐ様否定する様子が見られる。その為か、梵は梓の事を慕い、誠意を尽くす姿勢を見せているそうだ。梓は誠意が尽くされているとか如何とか関係無く、梵の事を、この学園で知り合えた大切な友達だと感じている。
梓は超高校級の幸運として入学した身である為、梵の事をよく褒める節がある。褒められ慣れていない梵は逃げるのだが、数分程経つと凄まじい勢いで誤解を解こうとする為、それを梓はしっかり理解している。
負の連鎖が続いてしまいがちな２人だが、勿論、楽しい一時も作れていた。料理が得意な梵は、よく梓にお菓子をプレゼントしている。それを嬉しそうに頬張る梓は、正に子犬。梵も失礼だとは感じながら、矢張り思わずにはいられない様だ。凸凹な２人。似た様で違う２人だからこそ築き上げられる関係性が、そこにはあるのだろう。
「え、ええっと…は、初めまして…！ぼ、僕の名前は、古倉梓です。竜胆…梵さん、ですよ…ね。よ、宜しく御願いします。…嗚呼否、ぼ、僕は、超高校級の幸運で…。要するに、運で、この学園に入れましたので……ほ、他の皆さんに比べたら、全然、です。ぼ、僕なんかより、竜胆さんの方が、よ、余っ程凄いですよ…。……って、り、竜胆さん！？…行ってしまわれました。ぼ、僕、何か失礼な事をしてしまったのでしょうか…！？」
「へ！？…『先刻のは慣れていないだけ』…？あ、その、否、ぼ、僕も、早とちりをしてしまって…お、お互い、おあいこ、って、やつですね…！ですから、その、そんな謝られなくても、だ、大丈夫ですよ…！」
「わぁ……こ、これ、竜胆さんが作ったんですか？凄いです竜胆さん…と、とても御上手です…！……え、『良かったらどうぞ』…？い、良いんですか…っ！？有難う御座います…っ！……い、頂きます…はむ…はむ……！！お、美味しいです…っ」
「り、竜胆さん…居ます、か…？……あ、よ、良かった…。…あ、否、その……前に、暗い所が苦手そうな御顔をされていた、ので…良ければ、一緒にい、行きませんか…？」
その距離感に、安心するから。→←闇に堕ち行く僕は、第２の兄と。
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