闇に堕ち行く僕は、第２の兄と。 ページ16
□一ノ瀬叶歩(ホルン様宅)
幼い頃に出会っており、その後学園にて再会した。父の死をきっかけに、絶望に打ちひしがられ、精神科に通い詰めていた頃の梓を知る唯一の人物であり、同い年でありながら、そんな梓のメンタルケアを担当する主治医でもあった。その際に梓の兄とも知り合っており、『梓闇堕ち阻止同盟』なるものを結成しているとか何とか。
学園でも、被害者の遺体を見てしまった梓の心情を察して目を隠してあげたり、梓が元気になる様、手の込んだお菓子等を作ってあげたり等、知る故の人一倍の過保護さを発揮している。物作りを一緒にする微笑ましい場面も目撃出来るらしい。また、学園での梓の兄代わりかの様に、騙され易かったり危なっかしかったりする一挙一動に目が離せないそう。
前ページの奏乃葉も加われば、更にほのぼのとしたオーラが増し、周囲に広がっていく事は間違いないだろう。故にこの３人の中では、梓は特に幼さが際立ち、叶歩の過保護度もうなぎ登りとなっていく筈である。
「ふぇっ、あ、えっと…は、初めまして、一ノ瀬さん。……って、え…？……その、声とピアス…もしかして…叶歩くん、ですか…？」
「えへへ……叶歩くんが居ると、何だか安心するね。優しいだけじゃなくて、こう、…傍に居てくれるから判る、温もり…？みたいなのがあるから…。……えへへ、叶歩くんは、まるで僕のお兄ちゃんみたいだね。…うーん…正確には…お兄ちゃん２号……？」
「あっ…！ご、ごめ、御免ね…っ！ぴぴ、ピアス…わ、態とじゃないんだよ…！……って、こ、これ、言い訳だよね。御免ね…。……本当に、御免なさい…。……僕にも、お父さんの肩身と言える物があったなら………って、ご、御免なさ、僕、また失礼な事を…っ！……嗚呼、何で僕って生きてるんだろう…」
「へあっ！？むむむ、虫！？そ、そっか、叶歩くん虫苦手だもんね…ご、御免ね、僕も虫は殺せなくて…。……に、逃がしてあげようっ…！ま、先ずはそこの窓を開けて…って、塞がれてるんだった……！！如何しよう如何しよう…ひぇぇ、力になれなくて、御免なさい…！」
「ひ、人が、死んで…！？……うっ、い、ゃ……！…………あ、あれ、前、見えなくなって……も、もしかして…叶歩、くん…？……あ、有難う…。…え、お菓子…？……う、うん。食べる…」
その誠意に応えるのは当然の事。→←君に支えられているんだ、相棒。
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