【財前光】名無しの君へ、

７重荷 ページ8

名無し：今日機嫌悪いですね



善哉：そうですか？ちょっと色々あったんですよ



名無し：私でよければ聞きますよ？



善哉：あの子のことでむしゃくしゃしてて、先輩に八つ当たりしたり、練習に集中できないんですよ



名無し：どっちにしろ集中できないなら、告白しちゃえばいいんですよ！！
当たって砕けろです！！







「砕けてどーすんねん」




まぁ、一理あるけどな。



このままじゃいかんのは確かや。






善哉：砕けたら困ります



名無し：あ、そうですね






ほんま、おもろい人やわ。



この人なら、弱味を見せられるんよな。






善哉：最近、俺が部長でいいのか、って思うんですよ



名無し：どうしてですか？



善哉：引退した先輩にまで、心配かけるし、情けないんすよ。



名無し：そうですかね？私はそうは思いませんよ
むしろ、善哉さんみたいな人が部長にあってると思います



善哉：なんでですか？







会ったこともない、俺のなにがわかるんやろ。



俺はそんなにやらい人間やない。



先輩みたいな、部長にはなれへん。






名無し：そうやって、悩めるだけでもすごいんです
普通の人なら部長というだけで舞い上がって、威張り腐るだけですからね！



善哉：俺だってそうかもしれませんよ？




名無し：それはないです！
話してればわかります！







「フッ、変な人や…」




少し、ほんまに少し、重荷が軽くなった気がした。

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