27久しぶり ページ28
同窓会。
来たくもないのに、しつこく誘われ、嫌々来た。
俺は、誰と話すこともなく、外で一人、夜風を浴びていた。
静けさが広がるなか、聞こえるのは俺の息遣いだけ。
「財前君」
ぼうっとしていたせいか、人がいたのに気づかなかったみたいや。
透き通るような女の声に嫌気さを感じながら振り返る。
「……桜井」
10年ぶりの桜井は、まぶしいくらい綺麗だ。
面影はちらほらとうかがえるが、纏う空気が違った。
大人びた雰囲気が、俺の何かを乱した。
「久しぶりだね」
柔らかい笑みを浮かべる、桜井
「…おん」
あれ以来話してなかったが、今となれば昔のこと。
不思議と話すのは苦じゃなかった。
だが、俺らの間の空気は冷めていた。
夜風が、俺の頬をかすめる。
俺に、なんの用や?
疑問に思って問いかけようとするが、それより先に桜井が口を開いた。
「あのね、私、財前君に謝らないといけないことがあるの」
何かを決意したように俺を見据える桜井。
謝る……?
何をや?
意図がわからなくて、眉をひそめた。
嫌な予感が、脳裏を過ぎる。
「私が
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・
――――――――――“名無し”なの」
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SHINO(プロフ) - 優雨さん» ありがとうございます。本当に嬉しいです。私の作品なんかで好きになっていただけたなら本望です。ありがとうございます! (2015年8月17日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます。そうですね、やはりこれが私らしいのでご容赦ください。笑 ハッピーエンドを素敵にかけるよう、努めます。 (2015年8月17日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 巌陰美園さん» ありがとうございます。そんな風に読んでいただけて、すごく光栄です。ありがとうございます。駄作というより、黒歴史ですね。笑 あの頃を思い出すと、作品を消したくなりますw (2015年8月17日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ドラゴンZさん» ありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです!ファンなんてとんでもないですが、とても幸せです。ありがとうございます。 (2015年8月17日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
優雨(プロフ) - はじめまして。幸村くんの時といい、とても感動しました!特に財前くんは好きなので!!前まで、切ない感じの話は苦手だったけど、今回すごく好きになりました!! (2015年5月4日 20時) (レス) id: 7a5228ac60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2013年11月16日 10時