28ごめん ページ29
未だ、椅子に座ったまま寝ている、彼女。
身を乗り出して、彼女を覗き込む。
すやすやと寝ている彼女の顔は寂しげだった。
俺には、そう見えた。
毛布をかけてやり、手を伸ばして頬をなでる。
「ごめん…ね…」
「A?」
「ごめ…ん…」
悪い夢でも見ているのだろうか、謝り続けるA。
起こしてやろうと、肩に手をかけるが、その手は動かなかった。
「ごめ……せ…いち…」
「っ、」
彼女は俺に、一度も謝罪の言葉を口にしなかった。
気休めにしかならないと、わかっていたんだろう。
俺ばかり、彼女のことを知っていると思ってたが、実際は違う。
彼女は俺のことを、ちゃんとわかってた。
彼女が今流す涙は、明らかに俺のせいだ。
彼女が寂しそうな顔をするのも、俺のせいなんだ。
「知ってる、知ってるよ…」
俺は静かに唇を重ねた。
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MOMO(プロフ) - リョーマ君の物語から来たんですが…どれも深くて切なくて悲しくて複雑で苦しくなってくるなんとも表現出来ない感じ(?)が凄くいいです!!これからも頑張って下さい!! (2023年2月19日 21時) (レス) @page3 id: 086efc5a74 (このIDを非表示/違反報告)
ナツ - 深い、深すぎます…。複雑で切なすぎです。私の読解力じゃ分かり切れない所もあったけどやはり良い作品でした。ありがとうございました。 (2021年2月14日 17時) (レス) id: c58bd08887 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ぱぁぷるさん» ありがとうございます。どちらも辛かったと思うけど、やっぱり幸村さんの優しさはやばかったです。こんな作品で泣いてくださってありがとうございました。 (2014年10月26日 17時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
ぱぁぷる - 泣けました。精市の気持ち、夢主の気持ちちゃんとわかってる見たいに書いてくださってありがとうございます。感動できる切恋をありがとうございました。 (2014年10月15日 2時) (レス) id: 504fe8ac61 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 駿美さん» そう言っていただけて光栄です。コメント、ありがとうございました。頑張ります。 (2014年9月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2013年11月7日 22時