検索窓
今日:28 hit、昨日:5 hit、合計:129,173 hit

story4 ページ5

それから、1週間。


跡部景吾は毎日屋上に訪れた。



その度、『授業に出ろ』『生徒会長としてゆるさない』そんなことを言ってきた。


私もなんとなく口をきくようになって、少しずつ話すようになっていた。




だけど、それだけで。


心を許すなんてことはしなかった。




私は、咲間がどういう所で、自分がどういう立場なのかも、ちゃんと分かっていたから。









* * *









_______え?




朝。

いつものように下駄箱を開くと、そこには真新しい上履きが入っていた。


何かをされているのが当たり前だったから、日常とかけ離れたその現状に戸惑いを隠せない。




一体、誰が?





いや、そんなことはどうでもいい。


何かの伏線かもしれないし。

安心するのはまだ早いんだ。





そう思って、私はいつも以上に警戒を強めた。


それくらい、ありえない事だったから。






なのにその日は、結局何も起こらなかった。









「おい、お前いい加減授業に出ろ」


「嫌です」






場所は屋上。

私の目の前には奴がいた。



私は感情を隠すように、敬語で話していた。


跡部景吾は取引先の御曹司。

素を見せれるはずもない。


あくまでも、敵なのだ。

父は嫌いだけど、私も伊達に咲間で生きてきたわけじゃない。



こんな汚い世界で、油断などできるはずもない。





だってきっと、跡部景吾の目的は私とどうこうなりたい訳でも、お節介なだけという訳でもない。


ただ、父の弱みを握り、取引を有利に進めたいだけなんだ。






ああ、吐き気がする。

story5→←story3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (189 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
270人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

SHINO(プロフ) - 菫-sumire-さん» ありがとうございます。こんな私に憧れる要素があるか、わかりませんが、ありがたいです。本当に未熟で、読みにくい部分もあるかと思いますが、皆様に納得していただけるように頑張りたいと思います。とても温かいコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 梅田さん» ありがとうございます。キャラの特徴や性格は私なりに研究していたつもりです。なのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。氷帝にとって跡部さんは絶対的な存在だと思うのでそれを表現できていてよかったです。素敵なコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菫-sumire-(プロフ) - SHINOさんの小説、影から読ませていただいておりました。憧れるところなんて正直言い切れません.....他のどの作品も楽しみにしています。 (2016年2月7日 12時) (レス) id: dbfe85220f (このIDを非表示/違反報告)
梅田(プロフ) - それぞれのキャラの特徴を良く捉えた上での跡部至上主義な発言がとても好きです。とりあえずの完結、おめでとうございます。続編も楽しみにしてます。SHINOさんの作品ですから、SHINOさんのペースで進めてください。一ファンとして影ながら応援しております。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: 78d0f2e1a4 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ゆっきーさん» 返事がおくれてすみません!続きを楽しみにしていただけるのは、作者として本当に嬉しいです。ワクワクドキドキしていただける展開にしていきますので、よろしくお願いします。素敵なコメントをありがとうございました。がんばります! (2016年1月25日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:SHINO | 作成日時:2014年7月26日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。