story28 ページ29
「別にいいでしょ、そんなこと」
何故彼が怒っているのかもわからないし、説明も面倒で。
そして何より、言いたくなかった。
ナンパについて行こうとしたなんて。
「はぐらかすな」
「跡部には関係ない」
思ってもないことを言ってしまう。
少し後悔して、そっと跡部を覗き込んだ。
すると――――――
グイッと腕をひかれ、気付けば私は跡部に抱きしめられていた。
「なに?」
さして動揺することもなく、静かに告げた。
彼の行動の意図がわからなくて、じっとする。
振りほどくこともなく、ただ彼の言葉を待った。
「わかれよ、鈍感女」
ギュッとさらに強くなる跡部の腕が私の背中を強く強く締め付けた。
だけどそれが痛くないのは、彼の優しさだと知っている。
「わからないわ」
私には感情がないんだもの。
自分のことすらわからないのに、他人の感情なんかわかるはずないでしょう?
自分の感情にも鈍感で、他人になんて興味すらない。
貴方とは、違う。
自分の貧し過ぎる感情に、嘲笑が零れた。
こんなに近くにいても。
こんなに強く抱きしめられても。
鼓動1つ高鳴らないのよ?
おかしいでしょう。
切なさしか生まれないの。
「ばーか、嫉妬してんだ」
耳元で響く掠れた焦らすような声。
卑怯な男。
そんな声で囁かれたら、誰だって勘違いしてしまう。
本当に『好き』なんじゃないかと。
そんなことあるはずないとわかっているから。
切ないのよ。
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SHINO(プロフ) - 菫-sumire-さん» ありがとうございます。こんな私に憧れる要素があるか、わかりませんが、ありがたいです。本当に未熟で、読みにくい部分もあるかと思いますが、皆様に納得していただけるように頑張りたいと思います。とても温かいコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 梅田さん» ありがとうございます。キャラの特徴や性格は私なりに研究していたつもりです。なのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。氷帝にとって跡部さんは絶対的な存在だと思うのでそれを表現できていてよかったです。素敵なコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菫-sumire-(プロフ) - SHINOさんの小説、影から読ませていただいておりました。憧れるところなんて正直言い切れません.....他のどの作品も楽しみにしています。 (2016年2月7日 12時) (レス) id: dbfe85220f (このIDを非表示/違反報告)
梅田(プロフ) - それぞれのキャラの特徴を良く捉えた上での跡部至上主義な発言がとても好きです。とりあえずの完結、おめでとうございます。続編も楽しみにしてます。SHINOさんの作品ですから、SHINOさんのペースで進めてください。一ファンとして影ながら応援しております。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: 78d0f2e1a4 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ゆっきーさん» 返事がおくれてすみません!続きを楽しみにしていただけるのは、作者として本当に嬉しいです。ワクワクドキドキしていただける展開にしていきますので、よろしくお願いします。素敵なコメントをありがとうございました。がんばります! (2016年1月25日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2014年7月26日 13時