story19 ページ20
私はずっと氷帝は家柄が全てだと思っていた。
跡部景吾は、家のおかげで生徒会もできて、テニス部の部長もできてるのだと。
そう思ってた。
いいえ、違う。
本当はとっくに気付いてた。
彼の人望は決して財力なんかじゃない。
この2人の目を見ただけでわかるわ。
どれだけ彼が信頼されて、どれだけ彼が尊敬されて、どれだけ彼が愛されてるか。
でもそれは全て跡部景吾という人間そのものに向けられているのだと。
痛いくらいに気づいてた。
私はずっと咲間を理由にしてきた。
私が咲間だから、友達ができない。
私が咲間だから、人に嫌われる。
私が咲間だから、私が咲間に生まれたから。
そう言って自分の運命を呪った。
だけど私が、私を咲間Aを知ってもらおうとしたことがあるだろうか。
人に好かれようと努力したことがあるだろうか。
人に認められたいと、思ったことがあっただろうか。
そう考えると、急に恥ずかしくなって、顔をそっと伏せた。
「勘違いすんなよー?
俺は別にお前を信じてるわけじゃねぇ。
お前を信じてる、跡部を信じてんだ」
向日岳人の熱の籠った声に私は思わず自分の指を握りしめた。
悔しくて、悔しくて、たまらなかった。
悲観していた自分を殴りたくなった。
私は咲間から逃げなかったんじゃない。
いつでも逃げれたって?
そんなんじゃない。
私は咲間にいることで、自分を守ってた。
咲間にいることで、1人だということに言い訳をしていただけ。
入学式の日、跡部景吾を初めて見た時。
私は羨ましいと思った。
全てを持ってる彼を羨ましいと思った。
でもそれは全て、彼が自分の手で作り上げてきたものだったんだ。
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SHINO(プロフ) - 菫-sumire-さん» ありがとうございます。こんな私に憧れる要素があるか、わかりませんが、ありがたいです。本当に未熟で、読みにくい部分もあるかと思いますが、皆様に納得していただけるように頑張りたいと思います。とても温かいコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - 梅田さん» ありがとうございます。キャラの特徴や性格は私なりに研究していたつもりです。なのでそう言っていただけると本当に嬉しいです。氷帝にとって跡部さんは絶対的な存在だと思うのでそれを表現できていてよかったです。素敵なコメントをありがとうございました。 (2016年2月7日 13時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
菫-sumire-(プロフ) - SHINOさんの小説、影から読ませていただいておりました。憧れるところなんて正直言い切れません.....他のどの作品も楽しみにしています。 (2016年2月7日 12時) (レス) id: dbfe85220f (このIDを非表示/違反報告)
梅田(プロフ) - それぞれのキャラの特徴を良く捉えた上での跡部至上主義な発言がとても好きです。とりあえずの完結、おめでとうございます。続編も楽しみにしてます。SHINOさんの作品ですから、SHINOさんのペースで進めてください。一ファンとして影ながら応援しております。 (2016年2月7日 11時) (レス) id: 78d0f2e1a4 (このIDを非表示/違反報告)
SHINO(プロフ) - ゆっきーさん» 返事がおくれてすみません!続きを楽しみにしていただけるのは、作者として本当に嬉しいです。ワクワクドキドキしていただける展開にしていきますので、よろしくお願いします。素敵なコメントをありがとうございました。がんばります! (2016年1月25日 22時) (レス) id: e7993006ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:SHINO | 作成日時:2014年7月26日 13時